先日のリニューアルイベントで取材させていただいた御谷湯さん。
前回はイベントレポということで今回は御谷湯さんの設備の紹介、そして次の三代目になられるシンさん(上記写真)にお話を伺いましたのでレビュー記事として取り上げさせていただきます。
今年2015年5月19日からリニューアルオープンした御谷湯さんですが創業は昭和43年ということで63年の歴史があります。
その間2度の改装を経て今回が3度目のリニューアルとなり、今後の地域のコニュニティーとしての役割を見据えて5階立ての福祉型の銭湯として生まれ変わりました。
そんな御谷湯さんの素晴らしさとは、福祉型の銭湯とは。今回も内部写真と共にお送りします!
設備解説などは前回記事でも担保していますので合わせてご覧いただければ幸いです。
場所は隅田川を望む下町にあり、今回は散歩がてら浅草駅から吾妻橋を渡り浅草通りへ、そこから三ツ目通りを南へ行ったところにあります。
最寄りの駅はもっと近くに本所吾妻橋駅があるので、駅から早く行きたい方はそちらの方がオススメですよ!
それでは早速1階から。
バリアフリーの入り口から続く休憩所です。ベンチは移動式で組み合わせて居間のようにすることも可能です。
そんな1階から浴場まではエレベーターで向かいます。4階と5階で週変わりで男湯と女湯が入れ替わるシステムです。
どちらの浴場もそれぞれ特徴があり、代わる代わる楽しめるのはとてもありがたいですね!
それでは早速浴場に、と行きたいところですが御谷湯さんの福祉型銭湯たる設備はまずこの1階にあります。1階奥のドアを開けてみると…
障がい者の方用の福祉風呂です!介助の方も一緒に入れるよう浴槽は2つあります。
そして浴槽はヒノキ製なので浴室内はヒノキの良い香りが…。
そのほかにも室内には補助用の手すりなどが設けられ、これなら介護家族の方々も安心してリラックスしながら入浴を楽しめるかと思います。リニューアルからまだ間もないですが既に予約も入っているようですので、興味のある方は一度ご連絡されてみてはどうでしょうか。
それでは次はまず4階の浴場へ行ってみましょう。
当然ですがとても綺麗な脱衣所です!こちらも全床バリアフリーで体重計などは古いものを残し、ところどころ懐かしさが感じられます。
それではいざ浴場へ!
なんというデザイン性!
メインのお湯は東京特有の温泉、黒湯 ですね。採光の良い窓側にはちょっと休憩スペースがあり涼めます。
奥にはくすり湯がありここは半露天。窓からスカイツリーが見れるという眺め。最高です!
他にもマサージ風呂や打たせ湯が並びますが、その奥に銭湯では珍しい浴槽が。その名も不感温温泉。
入ってみると温度が人の体温と一緒で(35〜36℃)、熱くも冷たくもなくずっと浸かって入られます。ゆえにエネルギー消費が少なく長風呂が好きな方には打って付けの浴槽です。
温泉では見かけるお風呂のようですが、銭湯では珍しいかと思います。
浴室内は明かり取り用の小窓からの光が入ってくるだけなので、まるで洞窟にいるような感じになりとても落ち着きます。
そして写真からも垣間見れるのが手すりの多さ。デザイン性の中に福祉型銭湯たる気遣いがうまく取り込まれています。
以上が御谷湯さんの1階、4階のレポートになります。
…なんか…
銭湯ってすごいですね…!!
いや、今更ですし、僕もまだそんなに多くの銭湯を回れていないので言える立場でも無いのですが、福祉というまたちょっと違ったコンセプトを足すことによってこんなに新しい銭湯が生まれてくるということに素直に感心してしまいました…!
次回は引き続き御谷湯さんの5階部分、そして福祉型銭湯だからこその施設運営について少し触れていきたいと思います。
それでは、次回【PART.2】に続く!
銭湯とデザイン。社会事業会社「Tokyosento Inc.」代表取締役とデザイン会社「DSCL Inc.」取締役を兼任しています。 現在は新しく銭湯を中心としたコミュ二ティの活性化やソーシャルデザイン領域をやっています。
TWITTERINSTAGRAM