「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」は2015年にスタートしました。
主に10代から30代の若年層をターゲットに、銭湯業界の活性化を目的にした取り組みをしてきました。
この取り組みは大きく2つから構成され、ひとつは、若者層に銭湯を周知し新規顧客をつくるウェブメディア「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」の運営。
もうひとつは、2016年から運営を開始した、銭湯から始めるコミュニティ「喜楽湯」の運営です。
来場者に対して“入浴”だけでなく銭湯体験をひとつのサービスとして捉え、地域のコミュニティデザインをしてきました。
地域イベントを主催し地域交流の場として社会的価値を高め、銭湯が本来持っていたコミュニティを実現していっています。
「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」の活動としては現在3年目となりますが、そんな活動がデザインの側面からも評価され、 「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」は2017年のグッドデザイン賞の「地域・コミュニティづくり/社会貢献活動」のカテゴリーで受賞することとなりました。
引用:http://www.g-mark.org/award/describe/46034?token=lcgkVpuoLo
グッドデザイン賞とは?
グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来約60年にわたって実施されています。
その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,200件、60年間で約44,000件に及んでいます。
また、グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。
「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。
引用:http://www.g-mark.org/about/
「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」はなぜ生まれたのか?
現在、週に1軒の割合で銭湯が廃業しています。
その理由のひとつに銭湯経営が金銭面で立ち行かないことが上げられます。
経営がうまくいかないので、担い手がいなくなり、廃業に追い込まれます。
その大きな原因は、既存顧客の人数だけでは、現存する銭湯を維持することが不可能だからです。
そこで、若者に周知することで新規顧客の創出をデザインする必要がありました。
さらに、若者が銭湯に足を運ばない理由のひとつに、銭湯に対して保守的で古いイメージを抱いていることも挙げられます。
今までの銭湯文化の伝統を引き継ぎながら、現代社会にあった、これからの銭湯の姿、地域のコミュニティのデザインが必要でした。
そのために、まず銭湯同士のつながりをもつ仕掛け(銭湯特化メディア)を作りました。
デザインに込められた想い
裸のコミュニケーションから始まる、地域のコミュニティデザイン
近年、核家族化が進み地域とのつながりが希薄化しています。
かつて銭湯は「地域のコミュニティ」でした。
学校のいじめ問題、子育てにおける母親の孤立などの社会問題は、そのつながりによって地域内で解決してきました。
また、東日本大震災のような大規模災害が起こった場合も、地域の人との助け合いが必要不可欠です。
そういった地域の結び目のひとつを担っていたのが、銭湯なのです。
しかし、現存する銭湯の数は下降傾向にあります。
つまり、地域の結び目をつくる場所が減り、コミュニティの減少につながっています。
若者がもっと地域とつながり、今の時代にあったコミュニティのリ・デザインをしたいと想い、土地に根付いている銭湯を拠点に出来ないかと考えました。
銭湯は地域の人が気軽に交流できる居場所です。
表層ではなく、裸の付き合いができるコミュニティだからこそ、創出可能となるつながりがあり、それがこれからの社会に必要なのです。
最初はただただ銭湯が好きで、銭湯好きで集まって部活動的に動いていた「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」ですが、様々な企業コラボや銭湯を軸とした企画、そして2016年からは実店舗『喜楽湯』の運営を開始し、振り返ればメンバーみんなで想像もしてなかったような道を歩いてきました。
そんな中で、「良いデザイン」と評価されグッドデザイン賞を受賞できたことは大変嬉しく思っております。
「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」の活動を支えてくれるメンバー、ライターの皆さま、『喜楽湯』の番頭やスタッフの皆さま、浴場関係者の皆さま、そして日頃「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」を楽しんでくれている読者の皆さま、今後とも「東京銭湯 – TOKYO SENTO – 」をどうぞよろしくお願いいたします。
東京銭湯の運営スタッフです!
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