今回ご紹介するのは足立区の「曙湯」。
意外と足立区の銭湯取材は手薄で、実は「タカラ湯」と「大黒湯」の取材しかしていなかったという…。
今回は「タカラ湯」の店主さまにご紹介を受けて行ってまいりました。
最寄の駅は東武スカイツリーラインの「五反野駅」から徒歩5分ほどの位置にあります。
首都高、環七、昭和通りがほど近く、車でのアクセスもしやすいです。
「曙湯」の南には荒川があり、それを渡ると「タカラ湯」と「大黒湯」があるような距離感です。
それでは足立区3軒目の銭湯「曙湯」をご紹介していきます。
♨ 入口は立派な唐破風。そしてオレンジ色のコインランドリーの屋根が目印。
入口の唐破風の屋根は大きく、とても立派です。その入口の横にはコインランドリーが設置されています。
コインランドリーの、屋根のビニールのオレンジ色が晴天の青空にコントラストとなってよく映えます!
コインランドリーは昭和43年から導入されています。
入口を正面からも!デカい…。唐破風の下には鶴の彫り飾りがあります。
「曙湯」のオーナーは現在3代目。
「曙湯」は昭和11年に現オーナー家族が経営を引き継ぎ運営されていますが、昭和11年以前から存在はしていたため恐らくは100年程の歴史はあるようです。
ただ、昭和32年に建て替えているので、現在の建物は60年程の歴史があります。
昔は2回中普請(内設備の改装)をした後、3回目は建て替え、というようなサイクルであったそうですよ。
入口は番台タイプのように男女に別れています。下駄箱の並ぶ入口には傘立ても。その中央に福助がお出迎え。
それでは今回も男湯からご紹介していきます。
♨ 直近の中普請は平成8年。キレイな脱衣所に懐かしのドリンク販売機。
こちらが男湯の脱衣所になります。天井は格天井。そしてシーリングファンが設置されています。
入口は番台式と同じように男女の入口が別れていましたが、入ってみると…フロント?いや、番台?
機能的にはどちらの役割を果たすような、中間の設備になっていました。
平成8年に奥さまの指摘もあり番台からフロント式に変えたそうですが、完全にフロントにすると防犯上良くないので、「半フロント・半番台」のような形に変わりました。
ロッカーとソファーです。表と同じように青いソファーとオレンジ色のロッカーキーのコントラストが映えます。
ロッカーの横には昔ながらの販売機に懐かしの瓶コーラが!
瓶の王冠は販売機備え付けの栓抜き部分に当てて取ることができます!
この自販機を知らない若い方が、1回覚えると皆さん毎回自慢げに空けるようですよ!
♨ 浴場は充実の設備!こちらも平成8年に改装。
昔ながらの高い天井の銭湯です。壁に富士の絵が描かれてあり、焼き物なので平成8年から20年経った現在でもキレイに発色しています。
浴槽はスーパージェット風呂、座風呂、ボディーマッサージ風呂に寝風呂…。
日替わりの薬湯に水風呂。そして水風呂の隣には外へのドアが。
はい、露天風呂もございます!こちらも平成8年からの設備です。昔は池のあったスペースで錦鯉などが泳いでいたそうですよ!
そしてサウナも完備。昭和56年より取り付けたらしいですが当時は湿式でしたが、こちらも平成8年から乾式に変えたそうです。
中普請によって、外観から感じる渋いイメージとは違い、とても現代風で設備充実の「曙湯」。
現在「曙湯」は、実はGoogleのインドアビューにも対応しており、ネットでも360度見渡すことが出来るようになっています。
銭湯は内部がわかりづらいことがやはりネックなようで、インドアビューで見れるようになったことによりお客さんは増えたと言います。
色々としっかりと現代に対応している銭湯「曙湯」ですが、燃料は昔から変わらず現在も「薪」でお湯を沸かしています。
ガス化も考えてはいるが、それだと家の風呂と変わらないので差別化のために「薪」を使っているとのこと。
ガス化を取り入れたとしても全部ガスだとつまらない、とおっしゃっていました。
以上、「曙湯」の男湯設備をご紹介させて頂きました。
入口からして大きな唐破風があり渋い面構えの「曙湯」。しかし内部は現代ナイズされた誰もが利用しやすい、充実の設備がありました。
次回【PART.2】では「曙湯」の女湯をご紹介すると共に、最近の「曙湯」のお客さん事情、そして銭湯を取り巻く今後の考え方などをご紹介していきます。
お楽しみに!
銭湯とデザイン。社会事業会社「Tokyosento Inc.」代表取締役とデザイン会社「DSCL Inc.」取締役を兼任しています。 現在は新しく銭湯を中心としたコミュ二ティの活性化やソーシャルデザイン領域をやっています。
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