前回の【PART.1】より引き続いて、港区麻布十番にある「竹の湯」をご紹介します。
大正2年創業と歴史がありながら、最近では黒美水温泉の水風呂を設置するなど柔軟に進化を遂げている「竹の湯」。
しかし多くのユーザーを惹きつけているのは、はたして黒美水温泉のおかげだけなのでしょうか?
【PART.2】では女湯、客層、銭湯事情などを中心にご紹介していきます。
♨ 女湯はこちら!
女湯の脱衣所はフロント右側になります。
浴場入口上のステンドグラスなどが変わっていますが、基本的には男湯と似たような造りです。
浴場も男湯と同じような構成。思わず息を吸い込みたくなるぐらい清々しい空間です。
特に土日は開店から多くの人で賑わいます。
女湯のタイル絵は日本地図。利用される親子や外人さんには、湯船に浸かりながら学習ができるとのことでちょっとした評判のようです。
微笑ましいですね~。
「銭湯と言えば富士山の絵!」といった枠にとらわれることない、ヨットや日本地図のような全く別のアプローチからのタイル絵も面白いですね。
♨ サウナと水風呂にもこだわり!
サウナも男湯、女湯ともにしっかり付いています。「こだわって選んだ」というレンガもライトもいい味出していますね。
そして【PART.1】にも紹介したとおりサウナ横にある水風呂は黒美水温泉。
サウナ利用後の皆さまにも通常の温泉にはない黒美水水風呂の入浴が楽しめます。
♨ 「竹の湯」の客層は?
客層は近隣の方はもちろん、ジム帰りの方や土地柄、有名人なんかも来たりするそうです。
今では風呂なしの家は全体の3%。残りの97%のお客様にいかに来てもらえるかを常に考えているのだとか。
♨ 昨今の銭湯事情は…?
地域のためにと一生懸命営業を続けている銭湯たち。
銭湯という一業態だけでは運営して行くのは難しく、コインランドリーや駐車場を設置したり、マンション経営といった副業をするなど非常に厳しいものになっています。
また設備の修理費、維持費の問題などで店を畳んでしまう所も少なくありません。
かといって客を増やそうと他の銭湯とズバ抜けて目立つようにカスタマイズするというのも「公衆浴場」では無くなってしまうので、アメニティやグッズを安くする、スタンプラリーなどのイベントをする、変わり湯を作るといったような差別化しかできないのが今の現状です。
(こちらは竹の湯が限定価格で販売しているテルマエロマエグッズです。)
そういった中で竹の湯が一番大事にしているのが接客サービス。
長い間化粧品会社で働いていた店主の娘さんは、最初はかしこまった、非常に丁寧すぎる応対をしていたそう。
しかし今の旦那さんの「まいど!」といったような挨拶を聞き、「丁寧にすればいいってもんじゃない。『まいど!』が聞きたくて来てくれるお客様もいる」という新しい発見をしたそうです。銭湯という特殊な商売では人によっては距離の近い接客を好む人もいる。そういった一つ一つの気づきに日々刺激を受けているみたいです。
昔はコンビニぐらいまで数があった銭湯はどんどん少なくなってきています。これからは若い世代をどんどんと引き付けていかなくてはなりません。
ここに取材する前は「温泉というだけでお客様が来るのではないか」と思っていた自分。
しかしその裏には接客サービスなどといった様々な細かい努力や工夫が施されていました。非常に勉強になりました。
麻布十番にお越しの際は是非、都会のオアシス「竹の湯」に足をお運びください!!!
♨ おまけ
これはフロントに置いてあるアロマ機能空気清浄機です。店主の娘さんのイチオシで「日替わりで匂いを変えているんですよ!」と満面の笑みで話してくれました。
心も体もあたたかく満たしてくれる銭湯のような存在を目指し、日々の冷たい現実と戦う社会人。
銭湯アドベンチャーズ東京というサークルのメンバーです。