映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地として有名な北区滝野川にある「稲荷湯」。
今回は女湯と共に「テルマエ・ロマエ」の撮影秘話なども交えてご紹介して行ければと思います。
前回【PART.1】はこちら。
♨ 女湯側の番台の壁は少し高め
女湯もレトロな雰囲気はそのままに日光が差し込みます。
女湯側の番台の仕切りは 男湯側よりも若干壁を高くなっています。昔より人の平均身長が大きくなったので時代に合わせて直したとのこと。
男湯側とは違い中央にベビーベッドがあります。待ち合わせをするお客さん用にと上には本や漫画が置いてあります。
女湯側の縁側の池では男湯側より一回り大きい鯉が泳いでいました。
♨ 「テルマエ・ロマエ」効果でお客さんが全国のみならず世界から!
古代ローマ時代の浴場と、現代日本の風呂をテーマとしたコメディ漫画「テルマエ・ロマエ」。
映画化され様々な企画やコラボレーションが行われ、これにより「銭湯の存在を知った!」という方も少なくないと思います。
ロケ地の「稲荷湯」はその効果もあってか全国各地からお客さんが来るようになりました。
海外への波及もあったことにより フランス、カナダ、台湾、インドネシア、中国からのお客さんもいるようです!
そんなワールドワイドに人気の「稲荷湯」の女湯はこちら。
♨ 女湯側のペンキ絵は潮岬
女湯浴場です。ペンキ絵は男湯の富士ではなく和歌山県にある「潮岬」。
中央の壁のタイルも男湯と違い花柄です。
全体的に男湯と正対称な配置。積み上げられた木桶が美しい…。
浴槽は左から「ぬる湯」、中央が「薬湯」、右が「熱湯」となっており、男湯と設備は一緒です。
♨ 「テルマエ・ロマエ」撮影秘話!
現在「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」でも「ゆはかわいい」などのフォト企画や通常の取材で銭湯の撮影をさせて頂いてますが、映画ともなるとやはり規模が違う!
映画のスタッフさんが最初に下見を兼ねた入浴をしに来てから実際の撮影まで半年ほど掛かったそうですが、撮影自体は定休日の2日間の撮影で終わりました。
それでもそれぞれ朝の6時にスタッフさんが来て、撤収が夜の23時だったので丸1日かかる撮影だったそうです。
実際の映像では数分ですがやはり大変な時間がかかりますね…。
当日のスタッフさんの数は70名、撮影のセットは大掛かりだったので最初はビックリされたようですが、撤収時にはセットを組む前の写真を確認しながら全て元の配置に戻してくれ、約束はきちんと守ってくれたそうでスタッフさんの手際が良かったと女将さんは関心されていました。
主役の「ルシウス」こと阿部寛さんについても、劇中に牛乳を飲むシーンを取り直しを含めたくさん飲んでいて 「俳優さんは大変な仕事だ、すごい!」と関心されていました。
♨ 「銭湯は癒し」と仰る女将さん。
やはりどうしても「テルマエ・ロマエ」を取り上げたくなってしまう「稲荷湯」ですが、そもそも土本さん一家が継続して「稲荷湯」をしっかりと営業されて来たからこそ映画のロケ地として取り上げられるようになったのです。
女将さん曰く「銭湯は癒し」。お客さんに「気持ちよかった、暖まったよ」と言われるのが嬉しいとのこと。
お客さんに喜んでもらえることだけを考えて営業されているようです。
4代目のご主人も職人気質で全てのバランスが相俟って今の「稲荷湯」があります。
現在お孫さんも営業を手伝うこともあり、今後も継続出来る限り「稲荷湯」はがんばって営業していくとお話されていました。
「稲荷湯」はtwitterのアカウントがありますのでその日の薬湯の情報などはコチラをチェック!
癒しの銭湯、北区の「稲荷湯」を是非ご堪能ください!
銭湯とデザイン。社会事業会社「Tokyosento Inc.」代表取締役とデザイン会社「DSCL Inc.」取締役を兼任しています。 現在は新しく銭湯を中心としたコミュ二ティの活性化やソーシャルデザイン領域をやっています。
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