こんにちは。80UCOです。
【PART.1】に引き続き、今回も横浜市鶴見区の『清水湯』のご紹介です。
お待ちかねの男湯から。
◆明るく清潔感のある脱衣所。張り紙につい目を奪われる
入口付近に「ビール始めました」の張り紙。完全に気持ちはビールに持って行かれてしまいました。
よくみたら壁の上にグリーンが点在。和みます。
浴室全景。男湯はシャワーヘッドが水色です。
アタリマエのことなんですが、銭湯って、広くてきれいで安くで入れて最高ですよね。
風呂無しおんぼろアパートに住んでた頃のことを思い出します。
温泉でも何でもない、普通のでっかいお風呂っていうのが、家みたいでいいんだよなあ。隣の人とか普通に話しかけてきたりして。
◆下町の男が浸かる、黄金の舟
男湯側は通りに近い方なので、より明るく感じられます。
私の大好きな曲に、キリンジの「黄金の舟」があるんですが、この銭湯にぴったりくる気がしました。
西陽に染まる湯ぶねは黄金色、だめな日は早く帰って清水湯へ…なんてね。笑
ぐらぐら沸いております。こだわりの熱め、43℃のお湯。
PART.1で少し書きましたが、清水湯さんは10年ほど前に薪からガスに変えたんだそう。
ガスでお湯をわかすのは、煤を含む煙が出ず周辺環境には優しい一方で、
お湯の温度を1℃あげるのでもかなり料金がかさむんですって。
少しでも温度が下がると、常連さんは「ぬるい」って言うから、気が抜けないと髙橋さん。
近所のみなさんに愛されるのは、この温度を貫く一本気が理由なのかも?!
どなたさまも、波に身を委ねる小舟のように、ゆっくりお過ごしください。
◆家より家っぽい場所。くつろぎロビーには無料マッサージチェアも
くつろぎのロビー。太っ腹なことに、2台並んでいるマッサージチェアはどちらも無料なんです。
ビール片手につい長居してしまいそう。
ちなみに、近所の小学生たちは、フロントで買える柿ピー片手に、ここで風呂あがりの将棋を楽しんでいるそう。
渋い。渋すぎる。
ゲーム機や駄菓子を片手におしゃべりする彼らの光景を見るとき、「ええな、と思うねん」と髙橋さんの奥さん。
町のみんなが集まる清水湯。「家より家っぽい」、心温まる日常がそこにありました。
ちなみにこの日は「風呂の日(26日)」。入浴者にはボックスティッシュのプレゼントが!
ちびっこにはお菓子を用意してくれる、なんともうれしいスペシャルデーなのです。
◆銭湯シェアハウスのオーナーとして想うこと。
実はオーナー、ここ清水湯の隣で銭湯シェアハウスを経営しています。
浴場の取材後、裏にあるシェアハウスのリビングでもお話を伺いました。
昔の銭湯は住み込みで働く人がいた事もあり、部屋が多く作られていたそう。
この清水湯の銭湯シェアハウスでは、様々なバックグラウンドの方が暮らしています。
今は8人の住人。夫婦の方、子連れの方、犬を飼っている方、学生さん…。
「普通のシェアハウスじゃないでしょ」と髙橋さんは笑いますが、これは本当にすごいこと。
入居者は公開募集しているわけではなく、ご縁とスカウトで決めているんだとか。
これは、髙橋さんがシェアハウスで、長年過ごした経験から。
住人同士がよい距離感、よい居心地でいられるように配慮しているんですって。
それぞれ違うバックグラウンドの方を迎えるので、受け入れ前後は戸惑うこともあるそうですが
「犬を飼うってこういうことなんだ」「子どもがいるってこういうことなんだ」と、発見と気づきの毎日だそうです。
出かける間に、犬を預かる。お母さんがお風呂に入る間、赤ちゃんを見ていてあげる。
お互いのゆとりある部分で助けあえる、あたたかな空間がそこにありました。
ちなみに、一昔前に放送されていたTVドラマの「時間ですよ」が、髙橋さんの中の銭湯のイメージとのこと。
住人の一人も、「男はつらいよ」の世界観を求めてこのシェアハウスに流れ着いたとか。
なんとなく、わかる気がします。
「銭湯は、やめるなら俺の代でやめたい」と髙橋さん。
お客さんの減少、後継者不足、設備の老朽化など、頭を悩ませる種は少なくないようですが、
銭湯を愛する髙橋さんの眼差しは、それでも先を見たい、と希望に満ちていました。
「みんなにもっと銭湯を知ってもらいたい」「みんなの日常に溶けこむようなお風呂でありたい」
そんなオーナーの熱い気持ちも、この銭湯の魅力のひとつ。
清水湯は、桜のころ、浴場内でのお花見イベントを行うそう。
また別の記事で告知していますので、ぜひぜひ足を運んでみてください。
風呂無し貧乏生活で銭湯の楽しさにめざめました。
フルーツ牛乳が俺のジャスティス。