前編に引き続き増穂湯さんのレビューをお届けします。
こちらは女湯。男湯と同じように富士山が描かれています。
銭湯と聞くとこの絵を思い浮かべる人はけっこういらっしゃるのではないでしょうか?
実際に壁面に富士山が描かれた銭湯は東京中あちらこちらに見かけます。けれどもどれも少しずつ違っていて、同じ絵はひとつとないことに気がつきます。
例えば富士山が描かれている位置。男湯と女湯のちょうど真ん中にあるときもあれば、どちらかに寄っているときもあります。この増穂湯のように男湯・女湯の両側に描かれているパターンもあるんです。ちょっとお得な気分です。
昔ある銭湯のご主人に聞いた話ですが、そこではどちらか一方のひいきにならないよう、ペンキ絵を塗り替えるたびに富士山の場所を変えているとおっしゃっていました。もともと女側であれば次は男湯側、その次はまた女湯側…といったように。つまり同じ銭湯であってもずっと同じ絵とは限らないのです。
これまでなんとなく見ていたペンキ絵も、見方を変えればより魅力的に見えてきますね!
脱衣所には男湯同様、お客さんが着替えやすいよう椅子を配置。立派なこの椅子、かつては役場にあったのをご主人が引き取ってきたものだとか(笑)
女湯の脱衣場のもうひとつの見どころ、レトロなドライヤー機が2台!
今はドライヤーとしての役目を終え、椅子としてまだまだ現役で働いてくれています。
♨︎広々としたロビーで一休み♨︎
ロビーは広々。ゆったりとくつろぐことができます。
シャンプーや石けん、手ぬぐいなどの品揃えも豊富ですので手ぶらで来ることもできますよ。
ご主人の愛犬家っぷりがところどころから伺えます。
取材当日も裏手からワンちゃんの元気な鳴き声が聞こえてきました。
♨︎「銭湯で教養を磨いてもらいたい」♨︎
最後に忠人さんから、東京銭湯を見ている若い世代の方たちにメッセージをいただきましたのでご紹介します。
「銭湯にはお年寄りの方がたくさん来ます。そういった世代を超えた人たちと、ぜひ会話をしてほしい。知らない人たちと交流することができる場所は銭湯以外にない、私はそう思います。
年上の人たちと話をすることはいい経験になります。若い人たちには自分の言葉や教養を磨くという意味でも、浴場を利用してもらいたいと思います。」
ロビーにて (左:東京銭湯 日野氏 右:二代目店主 出口忠人氏)
忠人さん、ご家族のみなさん。
取材にご協力いただきありがとうございました!
新宿から15分で手に入る、すべすべの肌。
みなさんも軟水風呂に浸かりにきてはいかがですか?
以上、世田谷区の増穂湯さんのレビューでした。
夢は銭湯でライブをすること。
熱い湯と水風呂が好きです。