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東京に銭湯は600軒以上あり、あなたの街にもあります。
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そんな銭湯を、銭湯好きの記者達が実際に取材し紹介していきます。

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【埼玉県 / 上福岡駅】銭湯をやりながらカフェをやってみた。上福岡のハイブリッド銭湯、末広湯【PART.2】

〒356-0004 埼玉県ふじみ野市上福岡3-7-4

埼玉県ふじみ野市の上福岡で54年の歴史を持つ末広湯さん。
今の一代目のお父さんが石川から15歳の時に上京し、親分さんの元で銭湯経営を学びその末に持った銭湯です。

前回【PART.1】では末広湯さんのフロントから女湯の設備を紹介させていただきましたが、今回は男湯と、いよいよ末広湯さんの核心部分をご紹介していきたいと思います。

それでは引き続きよろしくお願いいたします!

埼玉県末広湯20150619

まずは男湯の浴場です。こちらは女湯と設備が一緒です。というか女湯と左右対象で全く変わらない気が…!?
男湯と女湯である程度設備の違う銭湯さんが多い気がするな中でここまで同じなのは意外と珍しいかも…。

埼玉県末広湯20150619

なので当然回転風呂と赤外線風呂(熱風呂)。

埼玉県末広湯20150619

水風呂とラドンサウナ。

埼玉県末広湯20150619

そしてラドン温泉です!浴槽中央からコポコポとラドンが出ております。湯温はぬるめですがそれゆえにのぼせに注意!
女湯と同様熱風呂と水風呂での温冷浴に加えラドン浴も楽しめるとあって長風呂がはかどりますね!

そんな設備十分の末広湯さんの浴場ですが、いよいよ本日の核心部である男湯脱衣所へ…。

埼玉県末広湯20150619

ジャン!

なにやら中央に物を置くにはちょうどいいサイズのロッカーと、銭湯ではなかなか見かけないボックスが…笑
そう、この設備こそが二代目が取り入れた新しい銭湯経営の形となります!お風呂営業時は前面の黒板によって閉ざされている部分ですが…これがカフェの日になると…

埼玉県末広湯20150619

こうなります。

なんということでしょう…銭湯の中がおシャレなカフェスペースとなりました…!!
最近のリニューアル銭湯や、ここ20、30年でリニューアルして最初からこういった設備形態で営業されている銭湯はあるかもしれませんが、54年というある程度歴史ある設備内でカフェスペースがあるというのはなかなか珍しいサービスです。

そして「銭湯内にキッチン立てればどこでも出来るじゃん」というわけには当然行かず、公衆浴場の衛生と、飲食の衛生担当の方とやりとりして許可をもらわなければならず、なかなか大変だったとのこと。

埼玉県末広湯20150619

メニューも豊富。銭湯でパンケーキが食べれるとは!

銭湯を本来の地域コミュニティのスペースと捉えると、この運営は変わっているようで実はとても合理的な活用だと思います。
そしてその活用方法を更に広げていくと「銭湯でのワークショップ運営」ということにもなっていきます。

埼玉県末広湯20150619

末広湯さんの脱衣所の仕切りは戸を開けることが出来るので女湯脱衣所、フロント、男湯脱衣所がつながり広いスペースが生まれます。
そこで現在はヨガや色鉛筆サロンが開催されており、過去にはジャズや琴の演奏会、そしてお芝居まで開催したことがあるそうです。

当日の様子などは末広湯さんのサイトのサイドバーの二代目の【Facebookページ】から見ることができます。

そういった新しい運営の効果もあってか、従来常連さんが多い銭湯ですが、三割ほどが新規のお客さんとなってきたようです。

埼玉県末広湯20150619

今回は最後に1代目にもお話を聞くことができました。末広湯の一代目(写真左)は今年80歳。最近は一代目の奥さんが病気がちだったり怪我をしたこともあり、一度は廃業も考えたこともあったようですが、二代目(写真右)の奥さんの助言もあり、まずは週休3日の営業にしました。
そのまま細々とやっていくことも可能だったが、いつかは先細りして終わってしまうことを考えると新しいお客さんを呼び込まなくては、ということで休業日などを利用して新たな銭湯運営をしていくことになったのです。

最初はカフェ経営には一代目のお父様は反対だったそうですが、「やりたきゃ勝手にやれ」ということで二代目が今の形にしたそうです。
そりゃ銭湯の運営形態としてはなかなか奇抜なアイデアですものね…。ただ話を聞いていくと御歳80のお父様もなかなか奇抜?でした。

まず、銭湯の設備の修理などは全部自分でやってしまう。

専門の業者でも難しい修理なども全部自分でやってしまうそうです。特に工学の基礎知識があったわけではないのですが実践と応用でなんとかしてしまうとこのと。
修理のノウハウは本当にすごいと二代目がおっしゃっていました。

そして、電動設備なども自分で新設してしまう。

銭湯特有の高い所にある窓。これが自動で開閉するようにする改修を自分でやったそうです。スイッチで自動で開閉するのでビックリしました。
あと過去には覗き防止用の電気柵なども…。

そんな全て自分でなんとかしてしまえる銭湯経営の天才、一代目。その息子さんである二代目が、新しい銭湯運営の形態を作り出すのは特に不思議なことではないように思えました笑

あと超余談なのですが二代目の歳はこの見た目で53歳という…見えない…最初40代半ばくらいかなと思ってました…!

そんな現在親子二代で経営されている末広湯さん。時にはお風呂に入り、時にはカフェとしてくつろぎに行くのはいかがでしょうか。

銭湯は各地で日々進化している…!そんな一端を垣間見た埼玉の遠征取材でした。
末広湯さん、ありがとうございました!

AUTHOR

日野 祥太郎

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カフェふじみ野市ラドン温泉上福岡駅埼玉県末広湯
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