子どもも楽しめる、デザイナーズ銭湯へ。リニューアルされた『井草湯』を訪れました
今年4月18日、西武新宿線 井荻駅から徒歩10分ほどにある『井草湯』がリニューアルオープンしました!
『井草湯』といえば、以前「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」の取材で訪れたときには、ビル型の超レトロな銭湯でした。(こちらの記事もご覧ください)
ところが、リニューアルと聞きつけ、訪れてみると、あれれ、完全に別の建物!!!
中はどうなっているのか、いざ突撃です♨♨♨
“新たな銭湯”のため、代替わりの度に建て直されてきた『井草湯』
こちらが外観全体写真です。見事なまでに新築。
しかも、2階に自宅がくっついている訳でもなく、マンションになっている訳でもなく、純粋に銭湯のためだけに建てられています。
このご時世に、攻めてます!
店主は、『井草湯』3代目の井口雄太さん(36歳)。
「建物の老朽化にともなって、どっちにしろ改修が必要だったんです。以前から子ども向けの銭湯をつくってみたいという思いもあったので、いっそのこと新しくしちゃおうと、リニューアルしました。
うちの創業は昭和28年。初代の銭湯は今の環状八号線にあったのですが、開発で拡幅されることになり、昭和55年に2代目が道沿いに建て直しました。
それから30年ぐらいして、今度は裏の機械が壊れはじめてしまった。
だから、うちは初代、2代目、3代目とそれぞれが立て直しを行っているので、毎回“自分の銭湯”みたいになっているんです(笑)」
デザイン・設計を手掛けたのは、南青山にある『清水湯』など、これからの新たな銭湯を生み出している「宝設計アクアデザインオフィス」さん。
デザインについてはお任せしたそうで、印象としては和モダンなスタイリッシュ仕上げ。
それでは入湯です♨
サウナ室も新設された、超スタイリッシュな男湯
こちらは男湯の脱衣所。
新しくなって、ピカピカの脱衣所の片隅にひっそりと佇んでいるのは……
「お静かにお乗りください」と書かれた、創業当時から受け継がれている体重計。
捨てられず、残っていました〜。
浴室は超スタイリッシュ!
黒と白をベースに麻の絵が書かれたタイル絵が印象的です。
けれど、子どもと一緒に入ることをテーマにしているため、お湯の温度は全体的に40度前後と低めに設定。
大きな白湯の湯船には3種類のジェットバスがあり、毎週末には薬湯になるそうですよ!
珍しい黒の椅子や桶もかっこいい感じ。
以前は設置されていなかった、リンスインシャンプーとボディーソープも設置されるようになりました!
絹のような肌触りのシルキーバス(41.5度)
井口さんオススメの露天風呂の炭酸泉。お湯の温度は40度弱です。
顔を上げると、ちょっとだけ、空が見えますヨ!
男湯限定のサウナ室(有料)。
以前から、男性からサウナがほしいという要望が多かったので、男性のみつくったところ、意外と女性からも「ほしいよ〜」という声が聞こえてきたそうです。
今のところ、女子のみなさんには残念ですが、入れ替えなしなので、今後に期待!?
サウナルーム内は80度前後と、超低めです。
こちらのサウナは、“コンフォートサウナ”なるサウナで、説明書きによれば、
「ガス遠赤外線サウナヒーターに、特殊な蒸発皿をもうけ、自動的に乾いた室内空気に適当な湿度を加え、ほっとするような安心感が得られる雰囲気をつくりだしている」とのこと。
汗をじわじわかく系のサウナですね。
子どもが楽しめる仕掛けもある、明るい雰囲気の女湯
ここからは女湯です♨
男湯の黒で引き締まった印象とは一転し、全体的に白がベースで、明るい感じです。
サウナ以外は、男湯と同じ種類のお風呂となっています。
こちらが、井口さんがもっとも力を入れている「こどもぶろ」(写真右側の浴槽・男湯にもアリ)。
湯温が40度弱と低く、非常に浅いです。
井口さんが恐らく日本初では!? と意気込むのは、壁につくられた日本庭園などでよく見られるししおどし。
子どもが楽しめるように仕掛けをつくったそうで、ボタンを押すと……何が起っこるっかな〜???
お風呂上がりは、ぜひ懐かしのおかまドライヤーを使って、髪を乾かしてくださいませ。
体重計同様、こちらも捨てられず、残っていました〜。
子どもを連れて訪れたい!休憩スペースやキッズルームが充実
お風呂上がりは、牛乳はもちろん、生ビールやソフトクリームが用意されているので、ごゆるりと♪
休憩スペースは、1階だけではなく、2階にも!贅沢。
しかも、「キッズスペース」も完備です。
子どもたちに思い切り遊んでもらって、銭湯=楽しい思い出を持って帰ってもらいましょう!
今後は、幼稚園や小学校とも連携して銭湯好きの子どもたちをもっと増やしていきたい、という野望を持つ井口さん。
「大人になって初めて銭湯に行くというのは、なかなか難しいことだ思うんですよね。銭湯経験がないまま大人になると、子どもを連れて、銭湯に行こうとはならない。それをなくしたいんです」
銭湯大好きっ子の子どもたちよ、ここから育ってくれ〜♨♨♨
フリーライター。1984年生まれ。神奈川県の大磯町住まい。幼い頃から、毎日銭湯に通う母親に連れられ、しょっちゅう銭湯へ。銭湯は特別なものではなく、日常生活の一部。入浴はもちろん、サウナをこよなく愛するサウナー。何度も同じ銭湯に通う派。