JR総武本線 小岩駅の改札を出るとすぐ正面にある、江戸川区出身の横綱・栃錦像。
横綱・稀勢の里が所属する田子ノ浦部屋も近くにあり、相撲とゆかりのある地域です。
今日はそんな小岩にある『照の湯』をご紹介します。
『照の湯』は相撲部屋の跡地に建てられた銭湯!
『照の湯』は小岩駅 南口から徒歩5、6分。フラワーロード商店街を進み、一本横の通りに入ったところにあります。かつてこの場所には横綱・羽黒山(在位:昭和16~28年)が所属していた相撲部屋があり、その跡地に建てられたんだそう。
コインランドリー併設、少し奥まったところに銭湯の入り口があります。
65年ほど前の建物が今でも残る貴重な銭湯です。
入口正面。左右にあるガラスケースは水槽で、昔は金魚や魚が泳いでいたんだそう。豪華ですね!
玄関。ミントグリーンの靴箱がかわいい!
中央には季節の花や小物が飾られ、正面の鏡はきれいに磨かれています。
おもてなしの心が嬉しいですね。
それでは『照の湯』内部をご紹介します~! 戸を開けると広がる、懐かしいレトロ空間!
まずは【男湯】です。
ガラガラ~。戸を開けると広がるレトロな空間!
昔ながらの番台スタイルです。
笑顔の素敵なお母さんが迎えてくれます。ご夫婦で切り盛りされているという『照の湯』。
現在番台はお母さん、窯の番などの裏方はお父さんが担当されています。
この日は会えませんでしたが(残念!)、番台には看板猫の「みうちゃん」(14才、男の子)が座ることもあるそうですよ!
脱衣所は天井が高くて広々。年月の染み込んだ木の色が、『照の湯』の歴史の長さを物語っています。
所々に飾られた写真や絵は、常連さんの作品がほとんど。
脱衣所が華やかになりますし、飾ってもらえるお客さんもいろんな方に見てもらえると嬉しいですよね。プチ・ギャラリーのようです。
ロッカーの上には懐かしい脱衣かごが重ねられています。
おっ!ここだけ現代!な薄型テレビが(笑)
常連さんのお風呂グッズもたくさん。
男湯脱衣所のソファーからは金魚の泳ぐ中庭を眺めることができます。
現在『照の湯』で飼われている猫の「みうちゃん」は、ある雨の日、この庭で子猫の時に泣いているところをご主人が見つけたんだそう。
庭の木は桜。湯上がりにお花見を楽しめるなんて……最高ですね!
中庭側のガラス戸には鯉の透かし彫りがあって豪華!
細部に歴史とこだわりを感じられる脱衣所です。
それでは続いて浴室内です!
ローマ風浴槽! 創業当時の豪華さを感じられる、ひろびろ浴室
浴室内も天井が高く開放感があります。広々して気持ちいい!
洗い場には備え付けのシャンプー・ボディソープが設置されています。
(営業時間前に撮影させていただいたので浴槽にはカバーがかけられています。)
シンプルな浴槽ですが、少し熱めのお湯が身体にしみわたります~!とってもよく温まります。
お湯は地下水を組み上げて薪で沸かしているそう。
薪はなんと、6日で2トン!!の量を使うそうで、毎週ご主人が千葉まで往復約60キロ、3時間かけて仕入れに出かけています。
薪で沸かしたお湯はよく温まると評判で、「湯冷めしにくい」、「何時間経ってもぽかぽか」とのお客さんの声を聞くことも多いそうです。
また、江戸川区の銭湯では月に1回ほど、イベント湯を実施していて、「りんご湯」「ゆず湯」などなど……その際は『照の湯』でも楽しむことができます。
浴槽の縁にはローマ風の飾りが。女性像の下や、獅子頭の口の部分は、お湯が絶えず当たるため、地下水の成分でこのように色が変わってしまうそう。
壁にあるブルーの部分は水槽。かつてはここに本物の魚が泳いでいたそう。
泳ぐ魚を見ながら入るお風呂……贅沢ですね!
男湯と女湯の境の壁にはモザイクタイル絵が。ヨーロッパ風でかわいいです。
女湯側の絵は全く雰囲気が違うので、女湯をご紹介する【PART.2】もお楽しみに!
どこをとっても作りものでない、生きたレトロが残る空間。
ここまで昔ながらの設備がそのまま残る銭湯はなかなかないのでは?
都会の喧騒を離れ、場所も時代も超えてしまいそうです。
そんな雰囲気のある空間だからか、様々な撮影場所として使いたい!という要望があるそうです。
最近では俳優・神木隆之介さんのカレンダーの撮影にも使われたそうですよ。
昔ながらのものや雰囲気が数多く残る『照の湯』。
まだまだ魅了がいっぱいです!
次回【PART.2】では、女湯内部と、『照の湯』の歴史や、ご主人にお伺いしたお話などもご紹介します!
銭湯大好きパーソナリティ・ナレーター・MC。
Xラジオで銭湯トークしています。レトロ銭湯・ペンキ絵ファン。大相撲も大好き。銭湯のTVで見る大相撲中継が好きです!