こんにちは、ayumiです。
今回は、世田谷区、田園都市線は用賀駅から少し歩いたところにある路地裏に、まるで隠れ家のように鎮座するお湯屋さん、「藤の湯」さんをご紹介します。先日取り上げた沼袋の「一の湯」さんと同じく、「オトナ女子」におすすめの銭湯として、ウートピさんからの取材でお名前を挙げさせて頂いた「藤の湯」。最近ではドラマ「昼のセント酒」の舞台にもなり、世田谷界隈の銭湯好きには言わずと知れた、昭和レトロを感じさせる銭湯です。
TOKYO SENTOでは、ざきしゅう氏が以前、軽快なテンポで「藤の湯」を紹介されておりましたが、今回は改めて開店前にお時間を頂き、ご主人からお話をうかがうことができましたので、その様子をレポートいたします。
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私は勝手に藤の湯を「東京で一番おしゃれな銭湯」だと思っています。
この気持ちが少しでも、伝わることを願って!
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小道をぬけると、そこはお湯屋さん
東急田園都市線、用賀駅から二子玉川方面へ向かうこと、10分弱。環八と246の交差点の手前、右手にファミリーマートがあるのですが、そのすぐ脇の小道を右折したところに「藤の湯」はあります。
角を曲がると、小綺麗な新築マンションの影に隠れるようにして、宮造りの立派な外観が見えてきます。
以前訪れた時にはこの手前のマンション無かったな、なんて思いながら、久しぶりの再訪に少し興奮。
まわりの景色は変われど、変わらないこのどっしりとした佇まいにほっと胸を撫で下ろします。
開店前、まだ約束のお時間まで少し間があったので、入口付近でぼーっとします。
さりげない木材や石畳の使い方が、いかにもセンスを感じるエントランスです。
しばし、重厚な鬼瓦ちゃんと睨めっこ。
そうこうしているうちにパンを頬張りながら現れたTOKYO SENTO代表とともに、いざ、お邪魔します。
使い込まれた藍色が美しい入口の暖簾には、「湯屋」の一言が。
確かに藤の湯さんって、「銭湯」より「湯屋」という響きの方が似合う気がします。
今となっては用途は一緒ですが、そのまた昔の江戸時代、関西では銭湯のことを「風呂屋」といい、江戸では「湯屋」と呼んだそうな。東京世田谷の銭湯が暖簾に「湯屋」を掲げる、なんとも粋だと思いませんか?
営業時間の案内板には、フクロウのイラストが。こちらのフクロウちゃん、藤の湯のいたるところで登場します。ご主人に理由をうかがったところ、「単に好きなの」とのこと。でもこのフクロウがまた、藤の湯の雰囲気にばっちりマッチしているんです。
木のぬくもりが嬉しい、山小屋のような雰囲気のフロントスペース。オリジナルTシャツがもらえる「世田谷湯屋巡りスタンプラリー」も受け付けています。( 9月30日(金)まで、人気のためTシャツもちょっとだけ増刷されたそうなので、この機会にぜひ。)
そして、フロントにもフクロウちゃん。
フクロウちゃんと、藤の湯の入口を描いた、すてきな絵。
ちょっと行けば大通りに車がビュンビュン走っているような都心の裏路地に、
こんなに落ち着ける場所が、きちんと存在しているんですね。
さて、それではさっそく男湯からお邪魔しましょう。
いぶし銀だよ、世田谷ロマン
男湯内部。
格子天井に、フロント同様、長年大切に使い込まれてきた木材の温かみが嬉しい、落ち着きのある脱衣所です。
無駄なものは何一つないように見えて、ここぞ!というところに配置されたさりげない装飾品たちに、藤の湯さんのセンスが光ります。
世界の鯨絵図。男湯のロマン。
大胆かつ素朴な忘れ物BOX。
男湯にもフクロウちゃん。版画はご主人のお手製です。
さりげないタイル使いがとっても可愛いですね。
それではいざ、お風呂場へ〜!
浴室は舞台、主人公はあなた
ガラス戸を開けると、まず目に飛び込んでくるのはお花畑のような壁のタイル絵。
描かれているのはカキツバタ。
万葉集などの歌にも詠まれ、日本人が古くから親しんできた、水辺の修景には欠かせないお花です。
どうも発色が綺麗だなあと思ったら、なんとこちらのタイル、日本磁器発祥の地、有田まで先代がわざわざ赴いて焼いた、オリジナルなんだそうな!普通の街の銭湯で、有田焼のタイルにはまずお目にかかれません。タイル屋泣かせのセンスの良さにもぐぬぬっと唸ります。
そして、浴場内で一番目を引くのが、男湯と女湯をまたぐように建て付けられた立派な東屋。高い天井とあいまって、ちょっとしたお芝居の舞台のような雰囲気です。
大きい浴槽はジェット付き。カキツバタを背にちょっと熱めのお湯でリラックス。
うっとりしてのぼせないようにご注意ください。
そして、東屋の下には、檜風呂が。
備長炭入りです。
メインのお風呂は熱めですが、こちらの檜風呂はゆっくり入っていられる温度。檜の香りがなんとも心地よく、とろりとした肌触りが魅力です。
シャワーヘッドもまるで植物のよう!
細部まで美しくディレクションされた藤の湯。そこには、気取らない、けれど洗練された、
暮らしを彩るささやかな工夫がたくさん詰まっているのでした。
ふう。美しい藤の湯の魅力をたっぷり伝えようと、なんだか写真メインの記事になってしまいましたが、ご容赦ください。
次回、【PART.2】では、女湯のご紹介と、ついつい都内一おしゃれ!と246に向かって叫びたくなる、
その理由を解き明かしちゃいます。藤の湯秘話です。お楽しみに。
銭湯の美しいタイル絵なんかを眺めうっとりしながらお湯につかっては日々のぼせています。
WEBSITEINSTAGRAMお風呂上がりは近所のしぶめの居酒屋で湯上がり一杯が鉄則です♨
普段はものをつくったりしています。