日々銭湯に通う人々は、どんな理由で、どんな想いで、銭湯に行くのだろう? 銭湯の魅力って、なんだろう? その答えはきっと、ひとつじゃない。きっとそこには、その人ならではの楽しみ方や、理由がある。 “Humans of 入浴” は、銭湯の千差万別な楽しみ方に焦点をあて、銭湯通いの極意をいろんな人たちにインタビューすることで、その魅力を掘り下げてみよう! という、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」の連載企画です。
Vol.14:TARO SAKUMA at 文化浴泉
連載企画“Humans of 入浴”、第14回目にご登場いただくのは、佐久間太郎さん、27歳。出版社で働く佐久間さんが仕事終わりに足しげく通う、池尻大橋駅から程近い銭湯『文化浴泉』にて銭湯愛を語っていただくことに。
『文化浴泉』は目黒区界隈のサウナー御用達の銭湯の一つ。近年のサウナブームもあり、今やサウナ好きの若者が集う「池尻大橋のオアシス」的存在となっているそう。『文化浴泉』は泉質が素晴らしく、肌触りの良い軟水を使用。石鹸の泡立ちが良く、銭湯上がり特有の肌の突っ張る感じが無いのだとか。乾燥する今の季節には特に嬉しいですね。
♨ 佐久間さんの銭湯極意 ♨
Q:よく行く銭湯は?
『文化浴泉』(目黒区)、『駒の湯』(世田谷区)、八幡湯(世田谷区)。
自宅から近いこと、何よりしっかり“ととのう”サウナがあることが重要。
Q:銭湯に行く時間は?
仕事後に利用するので、23時頃がほとんど。週1〜2回は通っています。
『文化浴泉』は25時まで開いているので、少し遅くなってしまっても大丈夫。
Q:お風呂あがりに飲むなら?
ビール(サッポロ黒ラベル)。
Q:銭湯に持って行くものを教えてください。
必ず持っていくのは薄手のタオル一枚。頻繁に通うので、シャンプー類は自宅で使っているものを詰め替えて持っていきます。お風呂あがりに読むために、週刊誌を持っていくことも。
Q:「私だけのこだわり入浴術」はありますか?
自分なりの順序で入浴をすることにこだわっていますね。身体を軽く洗い流した後、まず始めにサウナに10分×3セット。水風呂と休憩を挟みながらじっくり汗を出します。その後身体や髪を洗い、あつ湯に浸かる。最後は水風呂で〆。サウナと湯船でガッツリと交互浴すると、湯あがりの気持ち良さが全然違ってきます!
Q:銭湯とあなたの出会いは?
もともと幼少期から家族で温泉に行くことが多く、お風呂好きではありました。上京してからは大学時代に友人と温泉旅行に行くのが楽しかったのですが、しょっちゅう遠出して旅行に行ける訳ではない。そこで、近くにもっと気軽に入れるお風呂がないか? と探したところ、意外にも都内に銭湯が多く存在するということを知りました。今では友人とだけでなく、一人でも日常的に足を運びます。
Q:あなたと銭湯にまつわるお話を聞かせてください。
数年前に、銭湯神と呼ばれるライターのヨッピーさんの交互浴の記事を読み、自身の銭湯熱にも火がつきました。その後、「東京湯らん」という、いわゆる銭湯版のお遍路巡りにハマり、スタンプラリーを完全制覇しました。その際に多くの銭湯に出会いましたね。中にはリニューアルされた綺麗な銭湯もあり、いままで想像していた「銭湯」のイメージが良い意味で変わりました。八丁堀の『湊湯』はその中のひとつです。今では、新しい土地に行った際には、まずその地域に銭湯があるかを検索してしまいます(笑)。
Q:あなたにとってズバリ、銭湯の魅力とは?
一番は手軽に何もかも忘れられる場所であるという事です。銭湯お遍路を通じて、一つとして同じ銭湯は無くて、それを見つけた時の嬉しさや、通う楽しみがあるという事を知りました。銭湯では人との距離感が普段の生活とは少し違う感覚があり、一人で行っても交互浴をしながら人間模様を外から眺めていられる事の面白さがあると感じます。
今回の”Humans of 入浴”はいかがでしたか? 元々は温泉の代用として銭湯を利用したものの、今では銭湯自体の魅力すっかりハマってしまった佐久間さん。銭湯好きの間では、様々な銭湯を巡る事を「お遍路型」、一箇所のお気に入り銭湯に通い続ける事を「定点型」、なんて呼ぶことがありますが、佐久間さんはどちらも行う「混合型」と言ったところでしょうか。自身のライフスタイルに上手に銭湯を取り入れて日々の生活の質を無理なく整える秘訣を覗かせて頂くことができました。
●おまけ●
目黒川沿いの歩道から『文化浴泉』を望むと、立派な煙突が出現! 昨年塗り替えを行なったとのことで、ご店主が教えてくださいました。是非湯あがりに実物もご覧ください。
次回の “Humans of 入浴” もどうぞお楽しみに!
“Humans of 入浴” は、銭湯の千差万別な楽しみ方に焦点をあて、銭湯通いの極意をいろんな人にインタビューすることで、その魅力を掘り下げてみよう!という、TOKYO SENTOの連載企画です。