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銭湯、お風呂に関する執筆コラムを掲載。

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【渋谷区】改良湯 リ二ューアルで描かれた新しい銭湯絵。 その過程を取材してきました!

こんにちは、ミヤウチリエです。

2018年11月に渋谷区 『改良湯』のリニューアル前の記事を書き、その際に募集していた、「壁画募集」についてあれからどうなったのかを取材しました。

 

東京銭湯が夏前に応募をお手伝い

9月頃に東京銭湯のツイッターでこんなツイートがあったのを覚えていますか?

▲ 募集ツイート

募集が集まるかドキドキでしたが、ツイッター・ Facebookの両方でたくさんのRTが。
結果的に、こちら含めて応募が40組ほど来たそうです。
よ、良かった……ホッ。たくさんご協力、本当にありがとうございました!

 

改良湯の壁に未来を描く、絵描きさんはだれだ!

2018年12月中旬

お久しぶりに、ご主人から「絵描きさん決定とペイント日決定!」の2つの嬉しいご連絡をいただき、ワクワクしながら改良湯へ。
募集で決まった外壁のペイントemi tanaji」さん(写真右から2番目)


アフロヘアーが特徴のアーティストで、高校時代に『銭湯絵師になりたい』という夢をもった絵描きさん。

PLOFILE:emi tanaji

2015年より壁画師として阿佐ヶ谷を拠点に活動。壁画や内装など4店舗手掛ける。
高校生の頃に『銭湯絵師になりたい』という夢が叶い、去年、長野は千と千尋の神隠しの題材となったとされる宿、金具屋の貸切風呂を手がける。
高校生からの夢の1つが叶う今、従来私が壁画に使用しているペンキでの製作で描きたい気持ちと、私の画家人生を応援して下さる周りの大切な方々に、是非私の銭湯絵の元で気軽に湯に浸かって頂きたい気持ちがあります。
夢をまた1つ叶えたい。どうぞ、宜しくお願い致します。

今回、選ばれた経緯
候補者の方とお会いして絵をみせていただいた時期に、ちょうど改良湯では恵比寿鯨祭のコラボのお話があったそう。
そこにエミ タナジさんが、なにも知らない状態で偶然クジラの絵をもってきた。

恵比寿鯨祭とは
恵比寿エリアで2013年度から開催している、鯨肉を使用したメニューを提供するフードフェスタ。
古くから鯨のことを、七福神の一柱・漁業の神様である「恵比寿様」と化身として同一視されていた歴史的背景があり、そんな恵比寿と鯨を取り持つご縁から始まった。

予想外の偶然に、ご主人はびっくり。
占いは信じないタイプだけれど、その偶然にどこか引き寄せられるものを感じて、画のタッチも気に入って。
地域に根付いているお祭の『鯨』という点と、銭湯が昔、広告を張り出していたように、『広告』といった意味合いもこめて決まった。
既にいろいろな縁が重なって、渋谷クロッシングの意味合いである、“交わりを強く感じました。


浴室内壁のペイントは、「Gravityfree(グラビティーフリー)」さん

『改良湯』ご夫妻が、ファンということでお願いしました。

PLOFILE:Gravityfree
現代芸術アーティスト。2002年より活動を開始。
銭湯建築家の今井健太郎さんとタッグを組み、銭湯も手がける。

銭湯で手がけた壁画
大田区『はすぬま温泉』:旅情花鳥風月
新宿区『栄湯』:釈迦半跏思惟像
文京区『ふくの湯』:大黒天湯
ほかにも光明泉や、戸越銀座温泉なども。今井さんの手がけた銭湯で絵を見かけた方も多いのではないでしょうか?

お二組の絵がどういう工程を経て仕上がったのか、お伝えしていきます。

 

ついに迎えたペイント当日

外壁1日目

今回はタナジさんと創作仲間3人を合わせて4人でペイント。
描く場所は高さは10mを超える、この真っ白い外壁の一面。足場が組まれ、絵描きさんたちが動き出します。

ベースカラーが海の色ということで、壁面全体に勢いよく正確に青が塗られていきます。

下にいくにつれて、きれいなブルーのグラデーションがかかっていきます。
上ではタナジさんが鯨の下書きをしながら、ほかメンバーが色を塗り始めました。

右下はサンゴが描かれるそうで、ベースをベージュ色で塗ります。左下には魚の群れが。

17時をすぎるとあっという間に外は暗くなり、投光器の明るさで出来るところまで作業を進めていきます。
寒さも一段と厳しくなってきたので、カイロと温かい飲み物で体力を温存しながら魚を描いていきます。

あら、工事中のこちらにもかわいいお魚が……(笑)
実はペイントと同時進行で建物の工事も最終段階に入っていました。
現場では工事の方たちも作業の合間をみてペイントを見守っていました。現場の方のユーモアにほっこり。


外壁はそんな感じで21時頃まで行い、1日目は無事に終了。

 

緻密なデザインに惚れぼれ

浴室内壁1日目

同日の浴室内壁のペイントも開始!この横に長い長〜い壁にペイントをしていきます。

完成絵を見せていただくと、すごいーーなんとも緻密だ。
壁をある程度の長さで区切って、マス目を作り、鉛筆でそれに合わせて書き入れていきます。

中心には太陽が描かれていきます。
下書きが無事に終わり、ペンで更になぞっていきます。18:00過ぎにペンキの調合をして1日目は終了。

 

本日で最後なのか……筆先に宿る魂

外壁2日目

良く晴れた、絶好のペイント日和
お昼すぎに改良湯に到着したら雲も上の水しぶき?も描かれており、すでに大部分が塗られていました。間近で見ると鯨の迫力と存在感すごい!

下でも鯨とサンゴに細かい線や色を加えていきます。サンゴは色がビビットな色で可愛らしい。

そして雲には浮世絵でみられる輪郭線が付け加えられていき、一気に和な雰囲気に。

太陽もパキッとした赤のグラデーションで塗られ、絵が引き締まったように感じます。
鯨も水しぶきが付いて勢いよく水面から出てきたよう。

夕方になり、作業も大詰めに。細かなところに色を付け足していきます。

つかの間の休憩。温かい飲み物が冷えきった体にしみる。
近所の方や、タナジさんのやられているお店のお客さんもきてくださり、みんなで完成を今かと楽しみに待っていました。最後は微調整をしているタナジさんを見守ります。完成まであと少し……!

そして完成!寒空の下、本当にお疲れ様でした。最後は銭湯いきたいーー!と皆さん口にしていましたね(笑)

完成した外壁の絵がこちら
絵のコンセプト
モチーフは、恵比寿のクジラ。
色彩やテイストを浮世絵寄りにして、魚と鯨を泳がせることで食物連鎖を意識したそうです。
早速プレートもつけられました。恵比寿=鯨で多くの人の目と記憶にとどまり続けますように。


 

浴室内壁2日目

こちらもお昼に伺うと、既に水色ベースで着色がされている……!は、早い!今回は和テイストということでこちらもモダンです。

輪郭の波部分に、もう一段階うすい水色をのせていき立体感を出していきます。
ライトで実際の浴場の色合いに近づけ、明るさも確認。

さらに波に白色が乗り、グラデーションが細かくなって立体感が出てきました。背面も市松模様に!
茅葺屋根と田園風景のようです。

中央には太陽。薄い青と濃い青を足してグラデーションを作り、より輝かしい太陽に。
なめらかな曲線はずっと見ていられる美しさ。

白抜きになっていた植物や動物に淡いブルーの色がつきました。右上に見える富士山がかっこいい……!

最後はアクセントに茶色の四角形を全体に描いていきます。全体を見ながら微調整を重ねていきます。
グラビティーさんに憧れて、この世界を目指したというタナジさんと一同で完成を見守りつつ、無駄のない洗練された筆使いをずっと見ていました。

ししてこちらも無事に完成!お疲れ様でした。

完成した浴室内壁の絵がこちら

絵のコンセプト
改良湯のテーマでもある SHIBUYA CROSSING。
渋谷はいろいろな文化が交わり、変化し続けているの街なので、昔の渋谷と現代の渋谷が複雑に交差し、ミックスされたようなグラフィックにしてみました。

最後に

今回、取材を通して初めて銭湯でいつも見ている絵が描かれる過程を拝見しました。
繊細ながら大胆な筆使いに感動しっぱなしでした。
ペンキ絵含め銭湯絵……銭湯好きな皆さんにも、もっと知っていただけたら嬉しいです。

お忙しい中、取材させていただき、あリがとうございました。

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ミヤウチリエ

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ペンキ絵リニューアル今井健太郎改良湯渋谷区渋谷駅
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