大田区・蒲田は言わずと知れた酒場の街。
そして大田区といえば、黒湯温泉の出る銭湯が数多ある、銭湯激戦区。
生ビールが飲める銭湯を探せば、蒲田の銭湯がやたらヒットするのも当然といえましょう。
そんな蒲田に、2016年4月リニューアルオープンした『福の湯』さん。
オープン時に足を運んだきりでしたが、あれから5か月。
当初から 「ピザを出そうとしているらしい」 との噂はちらほら耳にしていたのですが、ようやく再訪することができました。
今回ばかりは生ビールよりツマミの方が気になります。それではいざ入湯!
「ピザが食べられる銭湯」の噂は本当だった!
伺ったのは9月の日曜日、夕暮れ時。
蒲田駅から歩いて15分弱。静かな住宅街の中にあるモダンな福の湯さんの店先には……
ピザの看板が!!
Sサイズは400円からと、リーズナブルでおつまみにぴったりですね。期待が高まります。
入浴なしでピザのみの利用もOKとのこと。ていうかこれはもうピザ屋なのでは…?
日曜の夕方ということもあり、家族連れの姿も。けっこう賑わっている様子です。
入浴は生ビールへの序章。まずはゆっくりお風呂に入ろう。
美味しいビールを飲むために、まずは入浴です。
下足札をフロントに預けて、ロッカーのカギをもらいます。フロントの奥に何か見えますが…それはまた後でのお楽しみ。
改装されたばかりなので、とてもきれいな店内です。
中の詳細は、以前の記事をご参考に。
【大田区/蒲田駅】新装開店!モダンに生まれ変わった「福の湯」さんに行ってきたよ
浴槽は2種類。コンパクトですが、ご近所さんで賑わっていました。
岩風呂のお湯は特にぬるめなので、お子様も安心です。
オープン時にはなかったものとして、脱衣所で無料のお茶が飲めるようになっていました。
マッサージ器の使い方などの張り紙も増えており、5か月のあいだで色々アップデートされている様子を感じました。
のんびりとジャグジーのお湯を楽しんで、脱衣所に出るとほのかに香ばしいチーズの香りが。
脱衣所でチーズの香りがする銭湯は初めてです。このシズル感たるや。のども乾いたし、はやくピザ食べたい……!!
生ビールはサントリー【プレミアムモルツ】。オーダーしたピザを待ちつつカンパイ!
早速フロントでピザと生ビールをオーダー。
生ビールは中ジョッキ(450円)のみ。ピザは3種類。
今回はジェノベーゼにしてみました。生ビールと一緒に頼むと嬉しい50円引き!850円お支払いして、カウンター席へ。
ピザを待ちつつ、何はともあれ生ビールです。
銘柄はサントリー・プレミアムモルツ!それではいただきまーす!
ぷはあ。
お風呂あがり、美味しいおつまみを待ちながら、生ビールをごくり。ああ、なんてプレミアムなひととき。(ヤザワ風)
プレミアムモルツの生を出している銭湯はけっこう珍しい気がします。やっぱり美味しいですねー、プレモル。ごくごく。
そうこうしているうちに、焼きたてピザが運ばれてきましたー!
おお、なかなか本格的。混んでいなければ5分ほどでしょうか。Sサイズはひとり飲みのおつまみにちょうど良いサイズですね。
ひとくち頬張れば、熱々のチーズと自家製のジェノベーゼソースがじゅわっと口に広がります。
美味しいー!そこへすかさず生ビール!ごくり。
はあ、至福のひととき。
ちょっと忘れそうになりますが、ここは銭湯ですからね。さっきまでお風呂に入ってたんですからね。驚きです。
周りを見ると、ひとりでピザを食べているおばあさんや、カップルでビールとピザを楽しんでいる人、テイクアウトを頼んで行く人も。
あくまでロビーなので、わいわい宴会!とはいきませんが、お風呂あがりにちょっと楽しみがあるのはうれしい。
大型テレビで流れている大相撲中継を横目で見つつ、隣り合った人同士、熱いピザをほおばる。なんだか幸せなひとときでした。
ちなみに一押しは、にんにくバターのがっつり効いた「アメリカン」 だそうです。次回はそれにしてみようっと。
さて、この焼きたて熱々のピザ、どこで焼いているのかというと…
先ほどフロントの中に見えていたコレ!そう、フロントの一部が調理スペースになっています。
手前には貸タオルが積まれています。本当にフロントの中で(!)ピザを焼いているんですね!
注文が入るとマスター(と呼びたくなる) が手早く生地を伸ばし、トッピング。もちもちの生地も、自家製です。
どうして生ビールはプレミアムモルツにしたんですか?と聞いてみたら、
「何杯も飲むならほかの銘柄もいいけど、銭湯で飲む人はたいてい一杯だけ飲んで帰りますよね。一杯だけなら、プレミアムモルツがいいかなと思って。」 とのこと。
なるほど、確かにさっと一杯飲むだけの銭湯で、しっかり贅沢感を感じました。
ピザにもよく合いますし、ビールだけで飲んでも飲みごたえ十分。
冷蔵庫には缶チューハイもいろいろ。ビールが苦手な人も安心です。
現在、ピザの提供は 土日祝日のみ となっています。
がっかりしないように、しっかり確認してからお出かけくださいね。
ピザがつなぐ、地域のコミュニティスペースとしての銭湯。
フロントでお話を聞いていると、テイクアウト用の箱を持った常連さんがご来店。
「今週はマルゲリータね!」 と箱を渡しテイクアウトを頼んで、家族でお風呂に入るようです。
聞いてみたら、「ピザは週末だけだから、毎週違う味を楽しみにしてるのよー」 とのこと。
日曜日はピザの日、お風呂屋さんの日。
そんなふうに子供たちの記憶に残るとしたら、なんて素敵なことでしょうか。
ひとり暮らしの人も、お年寄りも、小さな子どもがいる家族連れも、
誰もがふらっと立ち寄れて、ちょっとお喋りできる場所って、現代にはなかなか貴重です。
地域の銭湯がそういう場であればいいと思いますが、銭湯に行き慣れない人にとってはハードルが高いのも事実。
福の湯さんは、カジュアルな「ピザ」が週末にあることで、誰でも立ち寄りやすく、みんなが集まれる地域のリビングのような雰囲気がありました。
大田区銭湯協会のホームページに書かれている『福の湯』さんの紹介文には
戦後間もない頃に比べ『銭湯』というものは確実に役割が変わってきていると思います。古き良き時代を踏襲し、新しい時代を築いていこうという気持ちで2016年4月に新装開店しました。広くはないです。湯船も2槽だけです。ですがきっと何かを感じていただけると思います。温かいのはお湯だけではありません。
とあります。
確かに、話題のデザイナーズ銭湯のような豪華な設備があるわけじゃない。温泉があるわけでもない。
ですが、オープンから5か月経った福の湯さんは、確実に地域で愛されるお風呂屋さんになっていると感じました。
これからも頑張ってほしいです。近くの人は、週末にはピザ食べに行こう!
蒲田・福の湯さんで生ビール!まとめ。
すっかりくつろいで、大相撲も最後まで見て、マスターとおしゃべりして、ご機嫌でまとめです。
・お風呂あがりのプレミアムモルツで帰宅前のワンクッション。一日の疲れを癒そう!
・週末は家族や友達を誘って、スペシャルな焼きたてピザをお楽しみに!
・蒲田の街も近い!飲み会前にさらりとひとっ風呂&かけつけ一杯はいかが?
・魅力は日常の延長感。自宅のリビングやお風呂場のように、気負わず通える地域密着銭湯!
わざわざ電車に乗って足を運ぶ有名銭湯もいいけれど、ご近所の銭湯がいろいろ工夫を凝らしていると、通って応援したくなります。
仲良しの友達が泊まりにきたらこっそり教えてあげたくなるような、ちょい飲みできる近所のバーのような福の湯さんでした。
(訪問日:2016年9月)
♨生ビールが飲める銭湯シリーズ♨
【生ビールが飲める銭湯 vol.1】ヌーランドさがみゆでカンパイ!【大田区/雑色駅】
【生ビールが飲める銭湯 vol.2】武蔵小山温泉 清水湯でぐびぐび!【品川区/武蔵小山駅】
【生ビールが飲める銭湯 vol.3】銭湯にピザ窯が!? 福の湯さんの焼きたてピザでカンパイ!【大田区/蒲田駅】
黒湯豊富な大田区に生まれ、銭湯の恩恵を受けてスクスク育ちました。
X大田区中心に、日常的に銭湯利用中。本業は植物やお花のアレコレ。