もっと東側の銭湯を取材せねば!ということで今回は江戸川区の「宝来湯」に行って参りました。
旧江戸川と新川に挟まれた立地の「宝来湯」は川沿いのジョギングやサイクリングの休憩にちょうど良さそうです。
最寄の駅は東京メトロ東西線「葛西駅」と都営新宿線「一之江駅」からそれぞれ徒歩15分ほどの場所にあります。
徒歩だと最寄の駅からは若干歩くことになりますが、環七通り沿いという立地からバスの利用が楽ですね。
「古川親水公園」停留所からもすぐなので遠方からのご利用の際には駅からバスをご利用ください。
それではご紹介していきます!
♨ 創業は昭和を越えて明治から!
最寄のバス停「古川親水公園」停留所を降りるとすぐに「宝来湯」。
白い囲いの壁に茶色い破風が特徴的な目印です。茶色で統一された外観はちょっと珍しいですね。
「宝来湯」の創業は詳しい年代は不明ですが明治から営業しているとのこと。
現三代目に二代目があまり語らなかったようですが、昭和の初期に一度建て直しているようで、建物自体は二代目なようですね。
入口の「宝来湯」の表札の下には小さな招き猫の人形が取付けてあります。
玄関横の看板スペースには営業時間などが書かれた張り紙が。「宝来湯」の定休日は日曜日!
銭湯の定休日としては珍しいですね。「宝来湯」に行く際には注意しましょう!
♨ レトロな男湯脱衣所にはマニアには唾涎モノの逸品が…!
入口を左に入って行くと男湯です。番台式ですね。
ロッカーの横には脱衣カゴが置いてあり全体的にレトロ銭湯の雰囲気です。
昭和初期の建て替え以降は中の設備はそこまで変えていないと言うことで昔ながらの佇まい。
脱衣所で変えた部分はサッシの所くらいとのこと!
そして浴場の入口上に額装されて入っている絵がなかなか貴重な逸品でして…
「板の間稼ぎご用心」のポスターが…!要は「脱衣所での盗難に気をつけよう!」というポスターですね。
こちらだいぶ古いものでして、何と当時の看板屋さんが作成した「手描き」のポスターです…!
葛西の浴場組合に配られ、組合内の各銭湯に配布されたもので、現存しているのは宝来湯だけです。
額に入れて飾っていたので今の今まであまり痛まずに残っている逸品です。
♨ コンパクトな浴場のペンキ絵は田中みづきさん作!
「宝来湯」の浴場は非常にコンパクト。
25年ほど前にやった中普請(内側の改装)では浴槽に超音波(ジェットバス)とバイブラバスが取付けられました。
他はタイルを変えたくらいなのでこちらもレトロ感満載です。お湯には「麦飯石」(ばくはんせき)を使用。
ペンキ絵は若手のペンキ絵師「田中みずき」さんの作品!2014年の作品で男湯は定番の富士の絵が描かれています。
お亡くなりになる前は早川さんの絵だったのですが、今後は若手の田中さんを応援して行こうということで、江戸川区の銭湯はなるべく田中さんに描いてもらっている
ようです。江戸川区の組合さん…若手に優しい…!
浴場の壁にはタイルに焼き付けて描かれた各種風景画もあります。
焼き付けなので、ある程度年数が経った今もキレイな発色でお客さんの目を楽しませてくれます。
♨ 「宝来湯」の名前の由来は…「ほ〜らイイ湯」!?
今回も店主さんには色々と伺わせて頂き、江戸川区の組合の取り組みや、「宝来湯」のお話を聞かせていただいたのですが、名前の由来については何とも縁起の良さそうな「宝来」の文字。
そのままの意味で「宝が来る」という「宝来」という文字ですが、店主さん曰く
「ほ〜らイイ湯」が由来だよ!
とのこと(笑)。もちろん諸説あります(?)が、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」でも「ゆはカワイイ = You are Kawaii」といった企画名で展開しているものもあり、なかなか妙案な宛て字だなと思いました(笑)
次回【PART.2】では女湯のご紹介と「宝来湯」の特徴について更に掘り下げてご紹介出きればと思います。
以上、「宝来湯」の男湯と名前の由来についてでした!
銭湯とデザイン。社会事業会社「Tokyosento Inc.」代表取締役とデザイン会社「DSCL Inc.」取締役を兼任しています。 現在は新しく銭湯を中心としたコミュ二ティの活性化やソーシャルデザイン領域をやっています。
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