前回、常連の世田谷温泉四季の湯さんについて書かせて頂いた。
それから一ヶ月経ち、今回三軒茶屋の太子堂にある富士見湯さんに行ってきたのでそちらで感じたことを書いていきたいと思う。
三軒茶屋は半蔵門線か、世田谷線で降りるとある駅で、道に迷ったら世田谷区で一番高いビルとされるオレンジ色のビル、キャロットタワーを目印にすればだいたい大丈夫という、国民に優しく設計された街である。渋谷から近いが、あの街の圧迫感からはほど遠く、人は多いが個人経営のお店や、商店街と住宅街が絶妙なバランスで成り立っていて、人にもお店にも困らないため東京初心者が心地よく過せる場所なのではないかと思う。
今回立ち寄った富士見湯さんは太子堂中央街の商店街を入ってまっすぐ道なりにいったところにある。
三軒茶屋駅を降りると大きな交差点があって、「ココカラファイン」という薬局や、「SEIYU」のお店がある大通りをまっすぐ行くと「太子堂中央街」というちょっとしたアーチ型の門があるのでそこをくぐったらいい。休日になるとホコ天(歩行者天国)があるのでかなり賑わう通りになっている。向かう途中、オシャレな文房具屋や、濱田家というパン屋があり、若いかたが好みそうなお店が沢山あった。
太子堂中央街へ入っていくと「マルコ」という居酒屋があって、夜は女性客で大にぎわいだった。何の居酒屋かはわからないが、昔地元の人たちから「マルコ」と呼ばれていたので、かなり親近感がわいた。
そういったオシャレなお店だけではなく、おじいちゃん、おばあちゃんが経営している八百屋さんやお惣菜屋さんが存在しているのも凄く微笑ましい。
そんな感じで歩いていくと郵便ポストの近くに「コインランドリー」と書かれた看板が立っている。富士見湯さんはあと数歩で着く。富士見湯さんのカウンター式の料金所で回数券を渡す。
共同の店内はレトロな雰囲気の天上と、大きなソファ、奥にはマンガなどが積み重なっていた。
富士見湯さんは二回行った。夕方と深夜。夕方は西日が差し込んで、小学生の頃味わった放課後の体育館の温かさを感じた。
声が、よく響く。
深夜は静かで、慌ただしさがなくきっとお店の人が生けたのであろう、花瓶に美しく生けられた花が目に留まった。いつのマンガだかわからないレディースコミックを読んで帰った。時間に余裕をもって行ったほうがいいなと思った。
お風呂は薬湯、ジェット風呂、座風呂、サウナ等(サウナは別途料金)があり、シャワーを浴びる場所はカーテンがかかり、裸が見られないよう工夫されていたり、シャワー室にちょっとした石鹸をおける場所もあるのが嬉しい。風呂桶は底に「富士見湯」と記されていた。薬湯は思いのほか段差があるので、小さいお子さんを連れて行くお母さんは気をつけて欲しいなと思った。
懐かしさ満載の素敵な銭湯だった。注意書きは配布されたものだけではなくお店の方が書いたものが貼られていた。
実は、三軒茶屋は何かしら縁がある。昔、私の姉が暮らしていた。その頃はマイケル・ジャクソンが急逝して間もない頃だった。あのときはこうなっていることも予想できなかったのである。姉は八幡湯によく通っていたらしい。何年か後になって繋がっていく銭湯コミュニケーションマジックは凄い。
こういった銭湯にまつわる深い感動を、スマホの画面だけでなく三次元でも味わって欲しいと思う次第である。
前回、のんたんという名で記事を上げたときと、今回上げる記事の温度差に驚かれている方もいるかもしれないが、女子を感じさせる文章を書くのは苦し過ぎるのでお許しを頂き、これからは魂込めて書くことにしました。青文字系、赤文字系にも所属しない、こんな女子もいるんです。
銭湯4コマ漫画家(のんたん)
・風呂つきアパートの目の前に銭湯があり、ほぼ銭湯に通っている女です。
・銭湯で起こったことを、抑揚のない4コマで展開しています。
・絵筆を持つと全く異なる作風を発揮します。(詳細はinstagramで)
・音楽と散歩、種田山頭火が好きです。
・銭湯に特別なこだわりはありませんが、銭湯で過ごす平和な時間が一日でも長く続けばいいと思っています。
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