東武伊勢崎線「梅島駅」「西新井駅」よりそれぞれ徒歩10分ほどの所に位置する足立区の『大和湯』。
通りより少しだけ奥まった所にあります。
『大和湯』はtwitterアカウントを持ち、イベントなどをPRしていたので若い方がいらっしゃるんだろうなぁと注目していました。
足立区の梅島と言えば「ビートたけし」の生まれ故郷!ということでテレビなどでも「ビートたけし」から『大和湯』は紹介されることもあったようです。
それでは早速『大和湯』を紹介しようと思いますが、その前に一つだけ注意事項が…。
足立区には北千住にも『大和湯』がありますので混同のご注意を…!
今回ご紹介するのは「梅島」の『大和湯』です。なぜ同じ名前なのかは後述します笑
♨ 昭和10年より現オーナー家族が営業する『大和湯』
通りからだと一見わかりづらい場所にある『大和湯』ですが歩いて行くと青い看板が通り沿いに出ていますのでそれが目印です。
『薬湯草津温泉』?とても気になる看板です。
正面からの『大和湯』です。屋根は唐破風で黄土色の差し色の入った塗装がとてもカッコイイです。
ビルに挟まれていて全景が見えないのが残念ですが、それでも昔ながらの威厳ある銭湯でとってもイケメンです。
玄関もイケメン。中央には傘入れ用のロッカーがあり、こちらも昔ながらの雰囲気があります。
『大和湯』現オーナー家族が昭和10年7月より営業しており、現在は80歳を越える二代目によって営業されています。
80歳を過ぎても仕事を続けるとは…気骨あり過ぎです。
ですが近年は近くにSEIYUが出来たりと、営業時間の延長も考えたそうですが、流石に体がキツいとのこと。
皆さま、『大和湯』をご利用の際には時間お早めに。
入口は左が男湯、右が女湯となっております。
♨ レトロ感満載の脱衣所。各アメニティーはフロントで。
女湯脱衣所です。中央の仕切りには大きな姿見。
中央のロッカーの上には水槽があり、金魚が泳いでいました。
髪乾燥機があり、その奥には有料の振動マシーンが。
女湯脱衣所にだけある設備ですので、女性客の皆さま是非お試しを!
フロントには各種アメニティーのご用意があります。
『大和湯』の浴場ではシャンプー・ボディーソープが備え付けられていますが、個別に使いたい方はフロントにてお買い求めください。
♨ 昭和32年に建て替えた『大和湯』。
こちらが『大和湯』の男湯の浴場になります。
女湯側です。どちらも立派な岩が壁に積まれています。
当時はまだ岩風呂が珍しかったこともあり、目立ちたがり屋の一代目が取り入れたとのこと。
昭和32年に建て替えられた『大和湯』ですが、その後シャワー、カラン、鏡など少しづつ変えた部分もありますが、その当時より変わっていないのはこの岩だけのようです。
ちなみにこちらの岩は富士山の岩を使っているようで、岩の下のレンガ部分は昔は鯉が泳ぐ水槽だったとのことでした。
当時の状態も見てみたかったですね…!
ちなみに浴場横にある広告は5年程前に新しくしたものだそうで、まだ生きています。
古い広告がそのまま納まっていることが多い浴場の広告ですが、『大和湯』では未だに浴場が広告媒体として機能していました。
♨ 草津に行かなくても温泉が楽しめる。それが『大和湯』。
『大和湯』の入口に『薬湯草津温泉』と書かれた看板が目を引き、気になっていましたが、その看板の意味がこちら。
通常の浴槽の横に乳白色の浴槽が!こちら草津温泉の入浴剤で、草津の源泉から有効成分を配合し、濃縮した入浴剤で非常に濃厚な温泉風呂になっています。
80歳を越える二代目が定期的に現地を訪ね、20リットル缶を車に何本も載せて運んで来るそうです。
高価な物で、1ヶ月に2本づつ消費してしまうので、設備的には特徴の無い分、良い入浴剤でお風呂を楽しんで欲しいという、二代目の考えたサービスでした。
♨ 現在お孫さんの手伝いのある『大和湯』ですが…!
今回『大和湯』の二代目のご主人から色々とお話を伺わせて頂きましたが、実は手伝いでお孫さんもいらっしゃり、銭湯の運営に関わっていました。
『大和湯』の三代目が早くに他界されてしまったりと人手が足りなくなり、手伝いをするようになって行き、そんな中で京都のサウナの梅湯の湊さんをテレビで知り、「この人マジでイケてる!」と思い、銭湯が無くなって行く状況の中で、何か出来ることはないか、と考えるようになったそうです。
なので『大和湯』のSNS発信などはお孫さんがやられ、提供する飲み物を変えてみたりと、二代目の仕事を助けていました。
まだ25歳ということで、未来の番頭か!?と思いきや今年から就職をしてしまうそうで、残念ではあるのですが、やはり外での経験は今後、もし銭湯を継ぐ、となった時には絶対に必要な経験となると思うので、是非社会人経験をたくさん積んで欲しいな、と思います!
二代目も「裏の設備等はまだ変えたばかりなのでまだ保つ。お客さんからも励まされるし丈夫なうちは頑張りたい。」とのこと。
今後とも体には気をつけて頂きたいものです…!
♨ ちなみに足立区に『大和湯』が2つある由来は…?
実は『大和湯』は最初は『昭和湯』という名前だったのですが、32年の中普請のタイミングで『大和湯』に変えました。
変えた理由はズバリ
北千住の『大和湯』と仲が良かったから。
だそうです。
あと新田の方にも『昭和湯』という銭湯があって差別化したかったから。
との説明も受けましたが、その末に一番差別化しづらい足立区内で名前が被るという中々矛盾した理由(笑)でかなり困惑しましたが、意外と銭湯の名前って簡単に変えられるんだな〜とビックリしました。
うちの『喜楽湯』もなんか変な名前にしてみようかな…。
また新しい銭湯価値観が生まれそうな『大和湯』取材でした。
銭湯とデザイン。社会事業会社「Tokyosento Inc.」代表取締役とデザイン会社「DSCL Inc.」取締役を兼任しています。 現在は新しく銭湯を中心としたコミュ二ティの活性化やソーシャルデザイン領域をやっています。
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