ドラマ「昼のセント酒」に登場した江戸川区の「鶴の湯」。昭和31年から江戸川区で60年ほどの歴史がある銭湯です。
現在は店主の中山さん、義姉、奥さま、息子さんの4人で「鶴の湯」をやっています。
入口は番台式ですが基本的には義母と奥さまが座って接客されていますので女性の方でも安心!
というわけで今回【PART.2】では女湯とドラマ「昼のセント酒」での撮影の様子などをご紹介していきます。
【PART.1】はこちら
♨ 女湯のペンキ絵にもお湯の富士!
中央に富士山。そして左隅にシュールにも浜辺に立つお湯の富士。
浴場全体の青いカラーにオレンジのタイルが差し色になっている空間を日の光が鮮やかに照らし出します。
銭湯は夜ではなく昼に入るのが気持ち良い。
男湯同様たっぷりカラン。シャンプーとボディーソープは備え付けてあります。
タオルは120円、ナイロンタオルは120円で販売していますので、タオルを忘れた、持っていない方は番台で購入しましょう!
浴槽も手前2つがボディーマッサージ風呂、奥が薬湯。そして更に奥のドアから女湯も露天風呂に行けます。
古い広告もあり、銭湯ならではの情緒が残っていますね。
♨ 女湯の露天風呂も大きい!
こちらは屋根も付いていて目隠し多めです。近隣からの目を気にしなくて済みますね。
そして湯の流れ出す口にカエルの人形が。年代を経過した銭湯ならではのシブカワイイ置物が「鶴の湯」にも!
広い浴場と露天風呂がある「鶴の湯」は江戸川区の銭湯のため65歳以上のお年寄りの方は通常460円の入浴料が半額の230円で入浴ができます。
こちらのサービス、「健康長寿入浴証」を持参すればいつでも適応されます。うらやましい…。
♨ 女湯の脱衣所にも女性ならではの目隠しが。
こちらが女湯の脱衣所です。年代物のマッサージチェアやロッカーが置いてあり、お湯の富士のヌイグルミもありますね。
入口横にロッカーがある構造で、正面には幕が結ってありました。
こちらは女性への配慮として目隠しになります。
基本番台は女性が座るので使うことは無いようですが、もしも男の人が番台に座ることがある場合を考えての配慮だそうです。
女湯脱衣所のウッドデッキです。常連さんの湯道具が置いてあり、地元のおばあちゃん達はこちらでくつろいでいる姿が浮かびます。
「鶴の湯」には独自のサービスが色々とありました。
まずは毎月5日は小学生の入浴料は無料!若い人が来る銭湯じゃないと先が無いということはどの銭湯に取っても共通認識であり、地元の中学生の職業体験をもう10年ほど受け入れていたりと、若い人に銭湯を知ってもらえるよ出来るだけ協力しているようです。
そして…面白いのが千葉産のお米、コシヒカリの販売も行っていることです!
奥さまの友達に千葉の農家の方がいて、「鶴の湯」で販売委託をしているそうです。これが意外に地元の人にたくさん売れるようです。
「鶴の湯」自体はあまり儲けないようですが、地域の人からすると行きつけの銭湯でお米が買えるのはありがたいですよね!
♨ ドラマ「昼のセント酒」の撮影の様子とは…。
色々と「鶴の湯」の設備や特徴、サービスをご紹介させて頂きましたが、最後にドラマ「昼のセント酒」の撮影のお話を中山さんに伺いました。
そもそもなぜ「鶴の湯」で撮影が行われたか、というと実は原作者の久住昌之さんが第一話を「鶴の湯」で撮りたいとの意向からでした!
露天風呂と煙突が隣り合ってるのが良かったようです。
撮影は定休日かな?と思いきや営業時間前!しかも2日間の撮影だったそうです!
1日目は朝7時半から、2日目は朝6時からで、それぞれ営業時間前の14時半には完全撤収というスケジュールだったそうです。
なので置いてある時計などは全て時間を変えての撮影でした。
映像の業界はタイトなスケジュールで進んで行くものですが、それで普通に成立してるのがスゴい!
劇中ではそんな時間帯の撮影には見せませんでしたよね!
ドラマ撮影はやって良かったと中山さんはおっしゃっていました。
若いお客さんが増え、Amazonのネット先行配信で見た人が多かったようで、「最近の子はテレビじゃなくてネットなんだなぁと思った」とのこと。
「鶴の湯」の入口には毒蝮三太夫さんのサインと共に主演の戸次重幸さんのサインが。
撮影時間は6時間ほど。そのほとんどが入浴シーンであったため、かなり長いこと湯船に浸かっていたそうです。
最後は丁寧に挨拶をされ、「芸能人はまじめじゃないとできないだろうなぁ」と感心していました。
そんな撮影秘話を入口でしていると隣の自販機にはこれまたお湯の富士が。
「昼のセント酒」の1話目の銭湯「鶴の湯」。露天風呂に浸かりながらドラマのシーンを体感してみてましょう。
そして湯上がりには他の銭湯と比べてもお安目な缶ビール(210円!発泡酒は150円!)を頂いてみてはいかがでしょうか。
銭湯とデザイン。社会事業会社「Tokyosento Inc.」代表取締役とデザイン会社「DSCL Inc.」取締役を兼任しています。 現在は新しく銭湯を中心としたコミュ二ティの活性化やソーシャルデザイン領域をやっています。
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