銭湯#働き方体験ツアー 概要
銭湯#働き方体験ツアーは、東京都公衆浴場活性化支援実証事業の「銭湯ラボ」が主催で、銭湯に興味ある人に実際に働き方を体験してもらおうというツアーです。
私は、第3回の『桜湯』の回に参加しました。
【日時】令和2年2月9日(日)12:00~14:00
【場所】『桜湯』府中市宮町1−23−3
【詳細】https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/11/25/13.html
銭湯経営者によるお話
まず初めに、『桜湯』経営者の佐伯さんより、銭湯業界の現状についてお話いただきました。
佐伯さん:
「銭湯は、今減り続けています。
今も、10日に1軒のペースで減っています。
そんな中、私はこの銭湯を引き継ぐことにしました。
桜湯は、改装オープンしてまだ2週間ということで、手探り状態です。
通常銭湯は、ゼロから作るのに1年くらいかかるのですが、桜湯の場合は改装で1年以上かかりました。
改装は、新規で作るよりも難しいことがあります。
どこか直すと、どこか壊れてしまう、ということがあるので、古い設備とのバランスも考えないといけないのです。
この脱衣所ですが、ほとんどの箇所を張り替えたり取り替えたりして、そのまま残っているのは洗面台だけです。」
「大正ロマン」をテーマにしていて、ロッカーにこだわっています。男湯のロッカーには、金魚、女湯のロッカーには桜が描かれています。
桜湯バックヤード見学
その後、桜湯の内部を佐伯さんと共に見学しました。
フロント・ロビー
佐伯さん:
「ロビーには、あえて喫煙室を作りました。
私、店の前でタバコ吸われるの嫌なんです。
せっかくお風呂でスッキリしたお客さんが煙を吸うことになるじゃないですか。
喫煙者を外に出すと、どうしても店の前で吸われてしまうので、それであればと丁度スペースがあったので喫煙室にしました。
ここが、喫煙者の憩いの場になったらいいなとも思います。」
ロビーには漫画がたくさん!
女湯
佐伯さん:
「一般的に、銭湯は女性のお客さんの方が少ないので、女湯の方が小さめとなっています。
浴室については、あまり手を入れていません。
ほぼ、クリーニングのみです。」
イスは少し高さのあるものに取り替えたそうです。
低いイスだと、立ち上がるときにシャワーヘッドを持って立ち上がる方がいるので、
シャワーヘッドがもぎ取られたり破損してしまうためです。
かわいいピンクのオリジナル桶も!
以前薬湯だったところは“鉱石風呂”として、北欧から持ってきた石が浴槽の中に入っています。
体がぽかぽかと温まるそうです!
佐伯さん:
「桜湯はサウナが結構広いので、ぜひサウナも利用していただきたいなと思います。
一部の木を張り替えたました。
木って、1年置くとダメになっちゃんですよね。
また、水を通すものは1年使わないだけでダメになります。
浴室の電気は全てLEDなのですが、唯一サウナだけはLED化できないんです。
LEDが熱に弱く、すぐに切れちゃうので採算が合わないのです。」
バックヤード
こちらは、バックヤードです。
佐伯さん:
「バックヤードの中では広い方だと思います。
中央にお湯の窯があり、こちらの機械で温度調整ができます。
ろ過機があって、自動で液体塩素を投入して、循環させています。
ろ過機が付いているのは大きい風呂だけで、他の水風呂や鉱石風呂は掛け流し状態です。
お客さんが入ってお湯が溢れると入れ替わるという仕組みなので、お客さんの入りに合わせて塩素濃度を手動で調整してます。
この調整が難しく、お風呂屋さんをやる上で最も大切なところです。」
佐伯さん:
「温度調整については、以前は1度ごとの調整しかできなくて、例えば40度で設定すると39度から41度の間で温度が変動してしまうんです。
1度というのは、体感だとかなり大きくて、人は大体0.2度で温度の変化を感じてしまうそうです。
1度ごとの調整だと、日によって温度にムラが出てしまうため、今は0.2度ごとに調整できるようにしてます。」
清掃体験
その後、清掃体験を行いました。
清掃についても佐伯さんにやり方などを教えていただきました。
佐伯さん:
「まず、クレンザーを撒いて、水をかけます。
あとは、タオルやブラシで擦ります。
うちはカランの数は15個で少ない方なのですが、古い銭湯ほどカランの数が多くて、多いところで40個、新しいところだと15~20個くらいです。
1個のカランを掃除してみて、これを全部1人でやるとしたらどのくらい時間がかかるかというのをイメージしていただければと思います。」
私たちは、2グループに別れて桜湯の実際の清掃体験を行いました。
大人数でやったので、30分くらいで終わりましたが、普段は1人や2人でやっている清掃です。
1人でやると3時間くらいはかかりそうです。
写真撮影
その後は、参加者が自由に桜湯内部の写真を撮影できる時間です。
浴槽の中に入って写真を撮らせてもらったりと思い出に残る写真になりました。
質疑応答
質疑応答の時間では、銭湯業界の課題や佐伯さんがどのようにして桜湯を改装オープンさせたかなど、ここでしか聞けない有意義な話をお伺いすることができました。
たくさんの貴重なお話、貴重な体験ができた「銭湯#働き方体験ツアー」。
参加したことで、銭湯への愛、銭湯熱が高まりました。
次回もあったらぜひ参加したいです。
都内銭湯100軒以上巡りました。ブログ、SNS、動画などで勝手に銭湯プロモーションをしてます。
XINSTAGRAM銭湯に行く若者を1人でも増やしたい!