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銭湯、お風呂に関する執筆コラムを掲載。

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【渋谷区】『改良湯』が満を持してリニューアルオープン!生まれ変わった渋谷の最先端銭湯をレポートします!

写真:黒羽政士


みなさん、お久しぶりです。ミヤウチリエです。

11月にこんな記事が公開されたのを覚えていますでしょうか?

【渋谷区 / 渋谷駅】渋谷の地で100年!地元の方に慣れ親しまれたリニューアル中の『改良湯』の記録とこれから
https://tokyosento.com/column/20985/

わたしも足繁く通っていた『改良湯』が、約3ヶ月によるリニューアル工事を完了し、新しく生まれ変わりました。
今回は、なにもかも一新された『改良湯』の様子をレポートします。

 

リニューアル後の改良湯は「ここは銭湯?」と疑いたくなるレベルですごかった

渋谷駅新南口から徒歩13分と、駅から少しあるいたところにある『改良湯』は、マンションタイプの銭湯。
渋谷と恵比寿のちょうど真ん中あたりに位置しています。

そんな都心のオアシスが、2018年12月21日にリニューアルオープンを迎えました。

駅から改良湯に向かって歩いていくと……なんだこれは!

角を曲がって見えてきたのは、大きな鯨の壁画。なんと壮大で力強い絵なのでしょう。

こちらは、アーティストのemi tanajiさん ( twitter / Instagram )によって描かれたもの。
鯨をモチーフに色彩やテイストを浮世絵の様に、水槽に見立てて描いた作品だそうです。

古くから「鯨」は恵比寿様の化身と考えられており、そんな深いご縁から恵比寿地区では毎年秋に「恵比寿鯨祭」というイベントが行われています。この壁画は町のアピールの役目も。


なんだかずっと見ていたくなるような、引き込まれるような鯨の目。

さて、壁画の横を進んでいくととてもシックな建物があります。

建物全体が黒の漆喰で塗られていて、以前の真っ白な建物とはまったく違う印象です。
おもわず「ここは本当に銭湯……!?」と思ってしまうくらい、デザイン性の高い攻めた外観になりました。

銭湯設計を手掛けたのは、今井健太郎建築設計事務所


真っ黒な外観にポツンと見える入り口には、白いのれん。
なんてスタイリッシュなんでしょう。まるで料亭のようです。

入り口にある看板には、リニューアルを機に新しくデザインされたロゴが。
『改良湯 SINCE 1916』
第一次世界対戦中に建てられてから今年で103年という長い歴史を改めて感じます。

 

モダンな雰囲気が来る人をリラックスさせる

入り口を入ると、傘立てと下駄箱。
木目調で落ち着いたトーン、そして統一感のあるデザインがオシャレです。
ブーツや長靴などが収納できる縦型の下駄箱もあります。


近づいて見ると、下駄箱には存在感のあるキーホルダーが!
タイルみたいで可愛い!思わず写真を撮りたくなってしまいます。

 

さて、お待ちかねのフロントは……?

自動ドアを入っていくと、左側にシンプルなつくりのフロントがあります。
フロントに座り穏やかな笑顔で迎えてくれたのは、4代目ご主人の大和伸晃さん。


フロントの奥にはきれいに畳まれたタオルが整列しています。
サウナ(350円)を利用すると、この改良湯ロゴ入りバスタオルがついてきますよ。

 

シンプルさに渋さを加えた現代の銭湯


脱衣所への入り口には、これまた素敵なのれんがかかっています。手前の男湯は薄グレー、奥の女湯は上品なうす紫です。
色使いがなんとも上品で渋い!


よく見てみると、こちらもオリジナルロゴ入り!

新しくなったロゴは、リニューアルテーマの「渋谷CROSSING」をイメージしてデザインされたもので、「渋谷のスクランブル交差点」や、改良湯のイニシャルである「K」をモチーフに、このようなデザインになったのだそう。
シンプル・イズ・ベストとはこのこと。

ここまでの変わりようがすごすぎて、浴場がどのように変わったのか想像ができないほどです。楽しみな気持ちが募ります。

 

広くてすっきりな脱衣所


こちらは女湯の脱衣所。
昼間は天井から優しい光が差し込みます。
スペースは広めにつくられており、すっきりとしていて開放感がいっぱい。
中央にあるのはスリムなデザインのイス。

洗面台には仕切りがあるので、隣の人を気にせずに落ち着いた気持ちで利用できるのがありがたい!
こういった細かなところまで考えられてるのが『改良湯』らしいなとも感じます。


ロッカーは全体的にやや大きめのつくりになっていて、使い勝手がよさそう!
大きいロッカーにはハンガーかけが付いており、上着をかけられます。
これなら渋谷で買い物を楽しんだ後やお仕事帰りなど、荷物が多い日でも安心ですね。


しかもドライヤーは、話題の「ヘアビューザー」が置かれています。
髪に与えるダメージが少ないうえ、ふわっとまとめてくれるとのことで、使うほどに髪が潤うのだとか。

女性のみなさんは、ぜひ一度試してみてください。
(※男湯は別メーカーのものになります)

まるでリゾート施設のような、スタイリッシュな浴場

さて、おまちかねの浴室へ!


浴室は以前と比べてスッキリと広くなった印象です!


そして、女湯は奥のカランがシャワー付きのものになりました。これはうれしいポイントです。
ご年配の方も使いやすいのではないでしょうか。
備え付けの、リンスインシャンプーと、ボディーソープは変わらずあります!
サクッと行きたい手ぶら派にもありがたいですね。


こちらの浴室内壁画は、アーティストの「Gravityfree(グラビティーフリー)」さんによるもの。

テーマは「渋谷の昔と今のコラージュ」。
右側には田園風景が残る昔の渋谷が、左にいくにつれて高層ビルの建ち並ぶ現代の渋谷が描かれています。

リニューアル後も浴場の広さは変わっていないはずなのに、以前に比べてとても広く、すっきりとした印象です。
これにはご主人のこだわりがあり、洗い場のカランの数を減らして湯船を広くしたおかげでそう感じるのだとか。

照明の明るさを抑えることで、視覚的にもよりリラックスできる空間に!


湯船はこの通り!
ぜひ注目して見ていただきたいのが、男湯と女湯の間にある仕切りです。
六角形のタイルを積み重ねてつくられているのですが、光の加減で見え方が変わるようになっています。
とてもスタイリッシュで美しい!

浴場内を見渡すと、さまざまな場所に複数のタイルを組み合わせた装飾があることに気づきます。


手前が中温風呂(42度) 奥が高濃度炭酸泉(38度)
リニューアル前に比べて浴槽が深くなったため、しっかりお湯につかることができ、全身が温まります。
どちらも10人ほどは入れる広さ。


以前は地下水を使用していたのをすべて軟水に変えたため、肌にやさしく柔らかいお湯になりました。

リニューアル前にご主人が「水質にはこだわりたい」とおっしゃっていた通り、高濃度炭酸泉が強めで気持ち良かったです。
たった460円でここに通えるのは、幸せなことだなあ。


ちなみに、浴室に入って右側にはしっかりサウナもあります。女湯は入って左側に。
サウナは2段になっていて、4〜6人が座れる広さです。
上段はリニューアルによって奥行きが広くなったので、あぐら派も体育座り派もゆったりと座れますよ〜!

温度は男湯(100度)、女湯(90度前後)の設定です。
こちらもすこし暗めな作りで、ジャズが流れます。
完成したばかりのサウナは木の優しい香りが全体に広がり、それだけで癒やされます。


水風呂はというと、ほどよい暗さで、なんだか神秘的。
男湯のほうには屋根がついていて、スポットライトが降り注ぎます。

水温は14〜16度と、リニューアル前よりグンと下がりました。

徐々にサウナーに近づいてきた身としては、ヒエヒエの水風呂はたまらないです。気持ちいい!
水風呂が大きくなったことによって、複数人でもゆっくり浸かることができ、サウナ好きは嬉しいですね。

 

僕たちは今後も改良を繰り返していくだけ

リニューアルオープンによって、以前に増して活気づいた『改良湯』。
渋谷と恵比寿の間にある都心の銭湯としての今後が気になります。


ご主人にお話を伺ったところ、「自分たちがこうしたい!というのは、実はあまりないんです」とのこと。
その言葉の真意は「今後も僕たちは、お客さんの意見を聞いて改良を繰り返していくだけ」という、創業当時から受け継がれる実直で前向きな姿勢にありました。

 

渋谷の地でイベントスペースとして、新たに交わる場所に

「渋谷CROSSING」というリニューアルテーマは、「これからの改良湯はイベント活用もできる銭湯になる」という思いから来ています。
それにあわせて、脱衣所のロッカーは可動式になっているとのこと。
とはいえ、こんな立派なロッカーがどう動くの……? と思っていたら、ロッカー下のネジを緩めはじめた大和さん。


すると……男湯と女湯のロッカーが静かに動きました。

男女の脱衣所の仕切りにもなっているロッカーを移動することで、広いイベントスペースに変化するとのことでした。


今回は時間の関係で完全には移動できませんでしたが、左右の壁に沿わせてしまえば、ここでさまざまなイベントが開催できるようです!わくわく!

すでに、イベントの申込みが何件か入っているようで、「渋谷CROSSING」はすでに始まっている様子。
改良湯さんでイベントを開催したい方は、ぜひ連絡してみてくださいね。


どんどん移り変わっていく渋谷の町と、改良を重ねてアップデートしていく『改良湯』。
今後がますます楽しみです! 皆さんもぜひ行ってみてくださいね!

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ミヤウチリエ

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リニューアル今井健太郎壁画募集改良湯渋谷区渋谷駅
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