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銭湯、お風呂に関する執筆コラムを掲載。

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【荒川区 / 町屋2丁目駅】みちくさ銭湯 〜荒川区編〜 『タイムリゾート 』

〒116-0001 東京都荒川区町屋4-4-1

プラプラと街を散歩して、汗をかいて、銭湯に入って……
そんな休日は最高ですよね!
この連載では最高の「みちくさコース」をご紹介します。
 


 

こんちわー。
銭湯ペンキ絵大好き、美術作家の杉本克哉です。
冬の晴れた休日って最高です。今回は年末の慌ただしくもワクワクする時期に取材をしました。

今回紹介するのは、都電荒川線「町屋2丁目駅」から徒歩3分の場所にかまえるアットホームな『タイムリゾート』さんです!
千代田線「町屋駅」からでも徒歩9分、都電沿いのお店を眺めながら散歩していくのもちょうどいい距離です。

「みちくさ銭湯」では、銭湯に入る前に、その銭湯の周辺をみちくさしてから銭湯に入るという企画。
ということでまずは、みちくさからスタートしましょう!

 

銭湯は意外と裏路地にあったり、昔からある道にあったりするものです。
そのため銭湯巡りをしておりますと、知らない商店街に迷い込んだり、知る人ぞ知るお店に出くわしたり何かと発見が多いです。

 

都電荒川線「町屋二丁目駅」からとことこ歩き、尾久の原公園方向にすこしいくと「ぬりえ美術館」があります。ここは、蔦谷喜一さんの作品が多数所蔵されている、ちょっと変わった美術館。最近は「おとなのぬりえ」も流行っていることもあり、興味のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ぬりえ美術館:http://www.nurie.jp/kiichi.html

 

「ぬりえ美術館」の通りから少し裏路地に抜けていくと、「ムラマツ製菓」さんがあります。なんとこのお店は、荒川区で代々100年以上続く「ウイスキーボンボン」の飴屋さんなのです。
ウイスキーボンボンというと洋酒をチョコレートでコーティングしたものを想像しますが、こちらのはウイスキーを砂糖結晶で包んだもの。

 

購入した時に、「お砂糖でできていて、壊れやすいから、大切に持って帰ってね」と、お店の方が声をかけてくださいました。
優しく甘い、宝物のような味でした。
 
ムラマツ製菓:http://www.bapsd.com/muramatsu/

 
さて、みちくさはそろそろ終わりにしましょうか。

 

アットホームな『タイムリゾート』

 

やっぱり気になるこの『タイムリゾート』という名称。番台の岩本潤さんにお聞きしたところ、はじめは『松の湯』という名前だったそうです。平成3年にマンションを併設し、新しい銭湯に生まれ変わりました。

平成14年に岩本さんのお父さまが元のオーナーから銭湯経営を依頼されて、それ以来16年間番台として勤められています。『タイムリゾート』という名称は、オーナーさんのお孫さんの頭文字をとって「タイム」になったそうな。そうした理由でちょっとオシャレな銭湯名になっているわけです。

 

ここ見て!①ラドン浴泉と岩風呂

 

脱衣所はいたってシンプル。脱衣カゴもありますし、うちわも置かれていて、くつろげる空間になっています!

 

まず浴場に入ると奥に伸びた広々とした空間があります。
『タイムリゾート』の特徴はジェット風呂、座風呂、寝風呂、岩風呂、ラドン浴泉などさまざまな種類のお湯が楽しめること!

 

やはり一番のポイントは他の銭湯さんにはあまりない「ラドン浴泉」でしょう。区切られた湿度の高い空間の中で、ゆっくり浸かります。

 

日常の健康管理・美容・ストレス解消・疲労回復・病後のリハビリテーション等に効果的だそうです。赤い湯船で個室になっているので、静かな空間でゆっくり汗をかくことができます。

 

岩風呂は少し暗がりになっていますが、自然光が差し込み、露天風呂の雰囲気が楽しめる空間になっています。岩肌がゴツゴツしていて、浸かっていると、ちょっとした小旅行気分になれます。

 

ここ見て!②極秘のバックヤード

 

銭湯ライターをやっていて楽しいと思える空間は、普段入れない舞台裏を覗けること。いつも利用させていただいている銭湯が、どうやって運営されているのか。少しだけ垣間見ることができるので、銭湯好きにはたまらんのです。

 

まさにこれが銭湯の心臓部! 『タイムリゾート』は電気系統が整備されており、温度管理や水の循環、ろ過などはすべてここでコントロールされています。たくさんのスイッチがあり、メモ書きがあり、まさに仕事場といった雰囲気です!

 

銭湯のお湯がキレイで衛生的なのは、この機械がろ過してくれるから。たくさんの配管が秘密基地のようなかっこよさを醸しだしています!

 

まさに秘密基地のような雰囲気。なんだかゾクゾクするのは僕だけじゃないはず!

 

ここみて!③お客さんの置物

 

何軒もの銭湯を取材していると、利用者の方が持ってくるいろいろなものを飾っている銭湯が多いことに気づきます。

 

それは手芸品だったりお客さんの思い出の品だったりが多いのです。それらの品々が銭湯の愛情溢れる景色に繋がっています。利用しているお客さんたちによって、それぞれの銭湯の風景が作られているのだと改めて思わされるのです。

 

ここみて!④種類豊富なアイス

 

『タイムリゾート』はロビーにアイスが置かれている珍しい銭湯。
多数のアイスが販売されていて、「どれにしようかなぁ」と選びロビーでアイスを食べて帰るお客さんも多いようです。

 

火照った体をアイスで冷やしながら、好きな味を存分に楽しみ、銭湯の雰囲気を満喫するわけです。時にはアイスを食べながら、番台でお仕事をされている岩本さんやお客さんとの会話を楽しむわけです。

 

ここみて!⑤親しみやすい番頭さん

 

ちょっと恥ずかしがり屋の岩本さん。正面は照れくさいとのことで、後ろ姿をパシャり!

 

岩本さんの目線の先には、子どもたちに人気のメダカの水槽が!

僕はたびたび『タイムリゾート』にお邪魔するのですが、そのたびに「サッカー〇〇が勝ちましたね」「明日は寒いみたいです」「しばらく暖かいみたいです」と声をかけていただきます。
そのお客さんへの声掛けが『タイムリゾート』の一番の特徴であり、僕が大好きな要素でもあります。結局、設備や空間よりも岩本さんのお人柄が好きで通っているんでしょうね。

 

『タイムリゾート』の今後の展望

 
お年寄りを大切にする銭湯にしていきたいと、岩本さんは話します。
利用者者の中には高齢者の方が多く、ここで銭湯に入ることを楽しみにされてる方が多いようです。外に出て歩いて、浴場でお客さん同士でお話する、そのコミュニティや銭湯でのイベントを大切にしていきたいと語ってくれました。

 

荒川区では高齢者に限り、支援者同伴で銭湯に入れるキャンペーンがあります。
「なかなか外出の機会が多くない、高齢者にも開かれた銭湯にしたい」とのことでした!

 

そして12/22は東京浴場組合のイベントのため、ゆず湯の準備をされていました! 最近ではイベントを開催している銭湯も多いので、その時期限定のお湯を体験するのもいいかもしれません。
 
帰り際には、柚子を一ついただきました。冬至に柚子湯に浸かるといよいよ冬到来という感じがします。
ポケットの柚子から冬の匂いが漂って、晴天の冬がさらに澄んで見えた、ある日の銭湯でした。

 

冬こそ銭湯はいいぞ!

AUTHOR

杉本 克哉

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