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銭湯、お風呂に関する執筆コラムを掲載。

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【荒川区 / 西日暮里】みちくさ銭湯 〜荒川区編〜 『千歳湯』

荒川区西日暮里4-8-4

 

プラプラと街を散歩して、汗をかいて、銭湯に入って……
そんな休日は最高ですよね!
この連載では最高の「みちくさコース」をご紹介します。

 

今回のみちくさ銭湯 荒川区西日暮里『千歳湯』

今回はJR西日暮里駅から徒歩5分ほどのところにある『千歳湯』へ、みちくさしながら行ってきました。

西日暮里の街をぶらぶらしていると、気づいたことが……!
それは、坂道が多いということ。
「この坂もまた~、実に走りたくなる坂であ~る~」と某TV番組「全○坂」のナレーションが聴こえてきそうな、いい坂がたくさん。

 

駅を出てすぐ、急勾配!

 

近くにある開成中学・高校前には「ひぐらし坂」。
運動のあとの銭湯は最高! 坂をたくさん登ってかいた汗を銭湯で流す……なんていかがでしょうか?

 

ベスト・オブ・坂 in西日暮里

ライター平尾が数ある坂の中で特にオススメしたいのは……

「富士見坂」!
以前は実際に坂の上から富士山が見えたんだとか。
都内に「富士見坂」という名の坂はいくつかありますが、ここはその中でも最近まで実際に富士山が見える坂だったそうです。

 

街灯に富士山のモチーフ。かわいいです。

 

ここは一気に登りきりましょう! そして汗をかいたら銭湯でひとっ風呂~♪
千歳湯さんへ一直線です。

 

映画の撮影も行われた銭湯は、レトロな雰囲気たっぷり!

玄関上の唐破風(からはふ)など、昔ながらの面影が残る外観。レトロで素敵ですね。

 

中に入るとフロントとロビー。お風呂上がりにホッと一息つけるスペースがあります。

 

併設のコインランドリーでは、映画『の・ようなもの のようなもの』(2016年公開)の撮影が行われたそうで、主演の松山ケンイチさんのサインが飾ってありました。隣にはラジオ番組の放送で訪れた毒蝮三太夫さんのサインも。

 

中に入ってみましょう。
まずは脱衣所。コチラは女湯です。脱衣かごやベビーベッド、釜形ドライヤーは女湯のみにあります。

 

コチラは男湯。ロッカーの上に並んだ壺は、骨董好きだったという初代ご主人のもの。
男湯の脱衣所からは中庭に出ることもできます。

 

中庭の縁側のタイルがかわいい! 昔のタイルって凝っていてキュンとします。

 

さぁ、ついに銭湯の主役、浴室に入りましょう!

 

ペンキ絵の富士山をのぞむ、解放感あふれる浴室

見事な富士山のペンキ絵!銭湯絵師の田中みずきさんが2015年に描いたものです。
銭湯といえばこの富士山のペンキ絵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

 

富士山は男湯側に描かれていますが、女湯からも見えるように、とオーダーしたのだとか。
女湯のお風呂につかりながらも富士山が眺められます。
洗い場にはリンスインシャンプーとボディソープが備え付けられていて、貸しタオル・ナイロンタオルも無料でレンタルできます。手ぶらで行けるのがうれしいですね。

 

天井が高くて開放的な空間。窓から差し込む日光が気持ちいい!

 

浴槽は3つあります。手前から水枕付きの超音波座風呂、バイブラ、薬湯です。
地下150mから組み上げた地下水を沸かしたお湯は、肌触りがやわらかくよく温まると評判です。
湯温は42~43度に設定されていて、熱いと感じるときは水で埋めても、しばらくすると熱いお湯が出て設定温度に戻るのだとか。
熱くて入れない時はフロントに声をかけてみてください。

女将さんのイチオシは日替わりの薬湯!

月 実母散(漢方)
火 ラベンダー
水 コラーゲン配合/レモンを隔週
木 実母散(漢方)
金 定休日
土 青森ひばオイル
日 ローズマリー

と、毎日ちがったお湯を楽しめます。

 

ロビーではお風呂上がりにうれしいドリンクやアイスも販売。
どれにしようかな~♪
 

『千歳湯』の歴史といま

昔ながらのレトロな雰囲気が好きな方にはたまらない『千歳湯』。
三代目ご主人の佐藤順也さん、お母さまの照子さんにお話をお伺いしました。

 

『千歳湯』の創業は1957(昭和32)年6月。新潟県出身の初代が上京し、銭湯で番頭として経験を積んだあと独立し、オープンしました。『千歳湯』という名前は、そのとき修行していた銭湯からもらったのだそうです。

照子さんは新潟から二代目のもとへ嫁ぎ、50年ほどこの千歳湯を見守っていらっしゃいます。
笑顔が素敵で聞き上手の照子さん。常連のお客さんの中にはロビーで1時間もおしゃべりしていく方もいるのだとか……!

周囲が住宅街ということで普段は地元のお客さんが多いそうですが、土日には近くの幼稚園に通う親子連れのお客さんなども。隣接した北区・文京区からのお客さんも多いそうです。

 

 

銭湯のご主人に禁断の質問も……

一家で銭湯大好き! 休日にはお子さんと他の銭湯にも足を運ぶという三代目・順也さんに「好きな銭湯は?」と聞いてみたところ、
「ハイテク系なら『やすらぎの湯 ニュー椿』(豊島区)、レトロ系なら、『帝国湯』(荒川区)『六龍鉱泉』(台東区)ですかね」と教えてくださいました。
ハイテク系、レトロ系とジャンル別に答えるところが本気の銭湯好き!! 銭湯トークに花が咲きました。(笑)

最後に、はじめて千歳湯へ来られる方へ、照子さんからメッセージをいただきました。
「水がいいので、地下水を汲み上げているお湯はよくあたたまります。ゆっくりできますし、日頃の疲れを癒していただければうれしいです。日替わりの薬湯はみなさんに喜んでいただけますし、もちろんはじめての方も大歓迎です!」

 

きょうもみちくさして、銭湯へ。
仕事帰りのみちくさに、銭湯へ。
『千歳湯』では東京の真ん中、山手線沿線でレトロ体験できちゃいますよ。

AUTHOR

平尾 美奈

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千歳湯荒川区西日暮里
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