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銭湯、お風呂に関する執筆コラムを掲載。

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【荒川区 / 赤土小学校前】みちくさ銭湯 〜荒川区編〜 『ニュー恵美須』

〒116-0012 荒川区東尾久4-17-9

プラプラと街を散歩して、汗をかいて、銭湯に入って……
そんな休日は最高ですよね!
この連載では最高の「みちくさコース」をご紹介します。

 


荒川区には無人運転で走る、日暮里舎人ライナーが走っています。
街中を高所で駆け抜ける様子は、ちょっとした非日常感を味わうことができます。

 

今回のみちくさ銭湯 荒川区東尾久『ニュー恵美須』

 


今回は、日暮里舎人ライナー「赤土小学校前」駅から徒歩1分の場所にある『ニュー恵美須』さんにお邪魔しました。
コインランドリーもばっちり併設されています。

 


都内では珍しい駐車場がある銭湯なので、車での来店も可能です!

 


自動ドアの入口を入ると、明るい女将さん(左)と従業員さん(右)の素敵なコンビが出迎えてくれます。
従業員さんは、なんと40年も『ニュー恵美須』さんに勤められているそうで、お二人の息はぴったりです。
馴染みのお客さんだけでなく、はじめて来店したお客さんにも明るく声をかけてくれるお二人。とっても元気がもらえます。

 


さっそく中に入ると、明るくて清潔な脱衣所。赤いお釜ドライヤーがかわいい!

 


『ニュー恵美須』さんの一押しポイントは、関西式の「流れ風呂」を採用しているところ。
いろんなタイプの浴槽が繋がっており、上流から下流へとお湯が流れ、循環しています。
滝のように流れ出ているお湯は濾過されて、上流の湯口から出てきます。温度は自動制御で常に設定した温度に保たれてるため、常に清潔で湯量の多い、快適な浴槽が実現できるのです。

『ニュー恵美須』さんを施工したのは関西の会社。そのため、タイルの配色やカラン、シャワーの形などは大阪でよく見られるものが使われているのだとか。
今でも故障した時は関西から修理をしに来てもらうとのことです。

 


露天風呂もありますよ! 左の扉はスチームサウナで、追加料金なしで入ることができます。

 


男湯は庭に出ることもできて、スチームサウナのあとの外気浴に最適です。外のスペースにもカランがついています!

 

『ニュー恵美須』のはじまりは、戦後まもなくの昭和24年ごろ

 

今の場所で「町会風呂」として誕生したそうです。
「町会風呂」は戦争で焼け野原になった後、人々が戻ってきたときに家にお風呂がなく、町内会の人たちで代わる代わるに薪を炊いてお湯を沸かしていたお風呂のこと。町風呂としてスタートした数年後に、先代である旦那さんのご両親に白羽の矢が立ち、銭湯として経営を始めたそうです。

 

関西式のお風呂を取り入れたのは昭和58年、3回目の改装をした時

 

『ニュー恵美須』さんはこれまで、3回の改装を行なっています。
2回目の改装では、浴槽の真ん中に庭園がデザインされ、金魚が泳いでいました。
しかし浴槽に入ると金魚が見えないということで、男湯と女湯の間に大きな水槽を構えて金魚を眺めながらお風呂に入ることできるようにしました。別名『金魚湯』としても親しまれたそうです。

 

そして3回目の改装をもって、いまの形になりました。
『ニュー恵美須』さんの名前の由来は、もともと『恵美須』という名前だったものが新しくなるということで、「ニュー」を頭につけたとのこと。
当時としてはとても珍しく、お店の前には行列ができ、1日1000人のお客さんが来たそうです。
 
『ニュー恵美須』さんにはとても深い浴槽があるのですが、それはたくさんのお客さんがいらっしゃる中で多くの方が入浴できるようにと、立って入れる浴槽になっています。1日1000人のお客さんが来ていたことを思うと納得の作りです。改装の翌年末には、NHKの「ゆく年くる年」で人気の銭湯として紹介されるほどでした。

 

レーザーディスクのカラオケセットが!

 

休憩スペースで取材をしていると、気になるものを発見しました。レーザーディスクとカセットテープのカラオケです。昔はカラオケ同好会があり、たくさんのお客さんが休憩所で歌を競い合っていたそうです。

 


今は使われていないのですが、カセットやディスクが残っていて、ちゃんと音も出ます。

 


今回の取材で、10数年ぶりに電源を入れていただきました。
とても楽しそうな女将さんと、常連客でイラストレーターの「メソポ田宮」さん。
Tシャツのイラストは「メソポ田宮文明」さんが生み出したキャラクターの「お湯わいてるぞう」。

 

『ニュー恵美須』さんのモットーは高齢者にやさしい銭湯

 

長年地元の方から愛されている『ニュー恵美須』さん。
高齢のお客さんにも安心してくつろいでもらえるよう、段差のある場所が少なく、広々としたつくりになっています。ふかふかのソファが2組み、マッサージチェアも2台。大きなテレビもあります。

 


畳のスペースもあります。とても落ち着く空間です。湯上りに一眠りしてから帰るお客さんも。

 


女将さんの元気で可愛らしいキャラクターにみなさん元気をもらっています。毎日のように来店する常連さんが、3日ほど来店しなかった際には心配で家に電話するなど、お客さんとの関係性がうかがえるとても暖かいエピソードもたくさん。番台でお客さんと楽しそうに話す女将さんの姿に私も元気をもらいました。

 

『ニュー恵美須』でさっぱりしたあとはすぐ近くの商店会をお散歩

 

『ニュー恵美須』さんはから歩くこと3分。地元の方で賑わう『おぐぎんざ商店会』があります。
50年以上続く歴史のある商店街です。

 


新しいスーパーと昔ながらのお店が入り混じり、とても活気があります。買い食いのできる焼き鳥屋さんやおでん屋さんがちらほら。銭湯のあとの食べ歩きには最高の商店街です。

日暮里舎人ライナーと銭湯と食べ歩き。小旅行のような充実したみちくさ銭湯でした。

AUTHOR

三村友香

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ニュー恵美須荒川区赤土小学校前駅
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