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銭湯、お風呂に関する執筆コラムを掲載。

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銭湯がフィンランドをジャック!? 『小杉湯』史上最大規模のイベント「夏至祭」に参戦してきた話

杉並区高円寺北3-32-2

 


“北欧を動かす風呂屋”と“銭湯再興プロジェクト” その真相とは……


「東京銭湯 ‐TOKYO SENTO‐」でもこれまでたびたび紹介されてきたであろう“交互浴のメッカ”こと『小杉湯』。

昭和8年創業の老舗銭湯による新たな取り組みの数々は、すでに皆さんもご存じの通りかもしれません。

「バスクリン」と一戦交えたり、「JT」を相手に渡りあったりしている『小杉湯』は、正直もはや一銭湯の域を超えてきていると感じていました。

(『小杉湯』についてはこちらの記事もご覧ください)

 

そんな『小杉湯』が、またも……やらかしてくれました!

しかもなんと、今回は「フィンランド大使館」がお相手です。もう一度だけ言います。ムーミンの生まれ故郷であり、伝説の「サンタクロース村」が実在するといわれているフィンランドです。

今回はイベントレポートという名のもと、その真相をたしかめにいきました。

 

『小杉湯』史上最大規模のイベント「夏至祭」

2018年6月22日〜24日に『小杉湯』で行われた「夏至祭」ですが、今回のテーマはずばり「日本×フィンランド」
遠く離れた2つの国にある“銭湯”と“公衆サウナ”という共通点を軸に、両者の文化を深掘りし、そこから新たな可能性を見い出すことを目的とした祭典です。

 
2019年に控えた外交関係樹立100周年に向けて、フィンランド文化の豊かさを伝えたい――。

サウナのメトス、フィンツアー、フッカデザイン、そしてフィンランド航空やフィンランド大使館をも巻き込んだ『小杉湯』創立以来の一大イベント。

主催は『小杉湯』の番頭兼イラストレーターであるenya honami (塩谷歩波)を筆頭に発足した「銭湯再興プロジェクト」。

 

「銭湯の価値を再定義し、新たな文化を作る」という大義の元、今年の4月にキャンプファイヤー上で『小杉湯』に集った年齢も経歴も異なった約60名からなるクリエーター集団です。
(https://camp-fire.jp/projects/view/72875)

実を言うと、筆者もこの「銭湯再興プロジェクト」のメンバーであり、今回の「夏至祭」の運営メンバーの一人でもあります。

というわけで、ここからはイベント参加者と運営側、ダブルの視点を駆使して当日の様子をお伝えしていきます。

 

「夏至祭」当日の様子

会場に入ってまず驚かされるのが、浴室内に突如出現した森。

 

???」と、一瞬理解が追いつかなかった方もいると思います。

ですが、実際に銭湯内に森が存在するのです。

 

これを森と言わずしてなんと言う。まぎれもなく森×銭湯、いや、フォレス湯でした。
未だかつてこんな銭湯は見たことがありません。

この森はMONKEY MAJIKの衣装を手がけたこともある植物アーティスト、「密林東京」さんによる『小杉湯』の浴室を用いた一大インスタレーション。

一体誰がフィンランドの森と日本の銭湯が織りなす光景を想像できたでしょうか。
いきなり見たこともない銭湯に連れてこられた木々たちもさぞびっくりしていることでしょう。

また、三日間限定で湯船自体も「白樺湯」「ミックスベリー湯」「ヴィヒタ※¹水風呂」となっており、“森のナイチンゲール”と呼ばれる白樺を用いた交互浴は、日々締め切りに追われる自分の身体をそっと癒してくれました。

※1.ヴィヒタとは白樺の若い枝葉を束ねたもので、主にバスルームやサウナ内で全身を叩くようにして使用される。本場フィンランドでは2000年前から習慣化されている伝統技法のひとつ。

 

そんな森の中でまず行われたのが「サウナヨガ」
講師のIzumiさんは、日本でたった一人しかいない、フィンランド認定のマスター資格をもつヨガインストラクター。
筆者も一緒にトライしましたが、銭湯の高い天井とヨガってとても相性が良いなと思いました。

 

フィンランドCafé「キエロティ」さんの贅沢な料理を囲んでのランチ交流会。来場していた本場フィンランドの方も、国民的カクテルロンケロ(写真中央左の水色の缶)の存在には大興奮の様子でした。「Hyva!!(フヴァ)」=美味しい!!

 

enya honamiさんとフィンランド研究家のこばやしあやなさんによるトークイベント
銭湯と公衆サウナ」をキーワードに、両者の違いや、それを形作るフィンランドの文化、公衆浴場が形づくる豊かさを紐解いていきます。

 

《遠く離れた土地にある2つのインフラストラクチャーが、いま同じ状況にある》

個人的にも、日本の銭湯の新たなヒントがこうして海外に眠っているというのはとても興味深いことだと思いました。

ちなみに、当日会場にいたフィンランドの方いわく、「フィンランド人は誰でもサウナを作れる」らしいです。(ほんとに……?)

 

浴室を出た先にはフィンランドギャラリー展が。
この写真たちはフィンランド大使館の提供によるもの。
どうりでクオリティが異常に高いわけだ……。そしてフィンランドの魅力が写真越しにも伝わってきます。

 

野外ブースの盛り上がりも負けていません。

 

先日CAMPFIREで注目を集めた「サウナトラック」(https://camp-fire.jp/projects/view/72089)の屋根にのぼり写真を撮りあう人たちや……

 

フッカデザイン」の、29億年前のフィンランドの地層から掘り出された奇跡の石“カレリアン・ソープストーン”。

 

テントサウナヨガを楽しむ人たち。

途中、サウナ内から叫び声が聞こえてきて、「何事か……!?」と思っていたら、プロ熱波師の五塔熱子さんによる熱々のロウリュサービスでした。

筆者も途中からは運営スタッフであること、そしてライターとしての役割を完全に忘れ、来場者と一緒になってひたすら楽しんでいました。

 

「夏至祭」まとめ

フィンランド大使館の商務部につとめるLaura Kopilow(ラウラ・コピロウ)さんは、日本とフィンランドの共通点の多さを見て、「今回の夏至祭はまさに和洋折衷ならぬ〝和フィン折衷〟だ。」とおっしゃっていました。

銭湯を真の意味で“文化”にしたい――。そんな塩谷さんの思いから始まった今回のイベント。
いつか逆にフィンランドで、いや世界中で、日本の文化を伝える“銭湯祭”を開催できる日が来たらいいなと思います。

 

さて……いろいろ書きましたが、「夏至祭」本当に楽しかったです。

これは「銭湯再興プロジェクト」のメンバーとしての感想ですが、今回の「夏至祭」は銭湯を通して知り合った仲間たちと、一つの目標に向け一致団結していく。まるで“大人の文化祭”をやっているような感覚でした。

文化祭の楽しさは、自分たちで率先して行動する自主性の部分にあったはずです。

平松さんや塩谷さんに言われたからやるのではなく、みんなが自発的に楽しんで取り組んだからこそ、結果としてトータル1700人もの人々を巻き込んだ大イベントになったのでしょう。

これからの銭湯、そして働き方が問われていく社会においても、今回の「夏至祭」にはなにか大きなヒントが詰まっているのではないかと感じました。

『小杉湯』そして「銭湯再興プロジェクト」の今後から、目が離せません。

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桶の旅人

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