女将の笑顔に癒される激渋銭湯
赤い電車の京浜急行 子安駅を降り、国道15号を渡った、海のすぐそばにある銭湯『井川湯』
(JR新子安・京急新子安駅と間違える方が多いのでご注意を!)
駅からの道のりでは、だんだんと磯の香りが強くなります。
軽自動車がやっと通れる細い道を行くと、小さく『井川湯』の看板。温泉マークがかわいい。
入口正面には富士山のタイル絵と鯉。鯉は少し浮き出ていたので別で貼りつけたのかな。
レトロな女湯の文字が雰囲気のある木の扉を開けると……
おぉー狭い。
ご婦人3人が湯上りの談笑中で、着替えられそうなスペースはあと少し。
そこに女将が笑顔で一言「脱衣所は混雑してますが、中はガラガラなんでごゆっくり~」
ウィットに富んだ声掛けにとても楽しい気持ちになりました。
正直、激狭!でも、だから、ゆったりできる
浴室はシャワー付カランが6つと、かなりこじんまりしています。
浴槽はシンプルな湯と、少し深めのバイブラのふたつ。各2人入ったらいっぱいの大きさ。
風貌から激熱かなとおもいましたが意外や適温。42~43℃くらいです。
正面の壁画には、中島盛夫氏の富士山。女湯に富士山は貴重!
タイル絵は、仕切り壁に3つと富士の下にひとつ。
きれいに清掃された空間に、まじかに迫る富士とすてきなタイル絵。
小さいからこそ独り占め気分を味わえ、贅沢な家風呂に浸かっている気分になれてしまうのです。
子安浜の漁師たちに愛された湯
『井川湯』は、横浜市内で現在営業している銭湯の中で、2番目に歴史が長いそうです。
数こそ少なくなりましたが、子安浜では今も漁師さんが暮らしています。
そして“京浜工業地帯”の、はしっこでもあるため周りを散歩すると、小さな漁船と工場という独特な風景を楽しむことができます。
子安浜の漁師が獲る穴子は、銀座の有名天ぷら屋が指定して使うほどの上物。近くに食べられるところもあるので、風呂上りの一杯に最高です。
気さくな女将がこのあたりの歴史についても教えてくれるので、お話し好きな方はいろいろと聞いてみるときっと楽しいですよ。
*内部の写真は許可をいただいて撮影しております
湯と酒と猫がすき。
INSTAGRAM出かける時は銭湯セットを持ち歩き、すきあらば湯に浸かります。