こんにちは、ayumiです。
前回の【PART.1】に引き続き、田園都市線、用賀駅から徒歩10分ほどのところに位置する、
TOKYO NO.1 OSHARE SENTO (勝手に認定)、「藤の湯」さんをご紹介しています。
今回は女湯を中心に。
いざ、お邪魔します!
カフェですか?いいえ、銭湯です!
女湯内部。
脱衣所中央にはそこいらのカフェなんかよりよっぽどすてきな休憩スペースが。
調和のとれた調度品と、銭湯器具たち。大きな一枚鏡も嬉しいですね。
もちろん女湯にもフクロウちゃん。この子たちとってもチャーミングな顔してます。
実はご主人、各地で木版画の個展まで開くほどの腕の持ち主なんです。
磨かれ続けてきたガラスと木枠がとても綺麗。うっとり眺めながら着替えましょう。
脱衣かごもなんだか嬉しそう。
ガラス戸からのぞくラブリーな浴室に、胸が高まります。
故郷、石川のアテの木と鬼瓦
こちらが女湯の浴室。男湯と左右対称の造りになっており、正面には熱めのジェットバス、東屋の下には檜風呂が構えます。
藤の湯の随所に使われているこれらの木材は、故郷である石川県まで先代が足を運んで手に入れたという、とても心のこもった逸品。
使用しているのは、石川県の県木にも指定されている「アテの木」 。アテとは、アスナロの変種である「ヒノキアスナロ」の地方名で、美しい林をうむ、能登を代表する県木です。
そんな立派な木がふんだんに使われた空間、
どうりで空気が違うはずです。なんとも贅沢!
東屋のてっぺんでお客さんを見守る鬼瓦は、九州産。
【PART.1】でご紹介した入口に鎮座する鬼瓦は、石川県産。
なんと500年も前のものだそう。
生まれた土地は違えど、この子たちはずっと、藤の湯の入浴客を静かに見守ってきたんですね。なんだかついつい見つめ合ってしまいます。パイセンです。
しょうぶでもあやめでもなく、これはカキツバタ。
女湯の檜風呂も備長炭入りです。
浴槽は2代目。お湯をはっている内側は大丈夫でも、空気に触れている外側からどうしても劣化してしまうそう。檜自体、木が柔らかいので、そもそも普通の木材よりも弱りやすいんです。
丈夫な素材が他にたくさんあっても、あえてメンテナンスの大変な檜風呂を無くさないでいてくれる。
そんな藤の湯さんだからこそ、ファンも多いんですね。
洗い場のタイルも素朴で可愛いな。
受け継がれる職人気質と、調和する空間
今回取材にご対応頂いたのは、藤の湯の2代目ご主人・山口 欧太郎 (やまぐち おうたろう) さん。
東京都の銭湯組合の支部長さんも務める山口さんに、藤の湯の歴史を伺いました。
もはや世田谷を代表する銭湯と言っても過言ではない「藤の湯」。
その創業は、昭和30年。もともとこの地にあったお風呂屋さんをお父様が購入し、営業をスタート。昭和36年に建て替えを行い、その後二度の中普請を経て、檜風呂などを設置し、現在の形に落ち着ついた藤の湯さん。
以前の入口は昔ながらの番台式で、壁のカキツバタのタイルも無く、富士山のペンキ絵が描かれていたそうです。
一般的に昭和40年頃からの銭湯は、シャワーなどの設備面に投資するスタイルが王道となり、藤の湯のように、内装に凝る銭湯は少なくなっていきます。「木材をこうやって贅沢に使ったりしてね。こういう建て替え方法は、当時の流れではもうやらなくなってきてましたから」と山口さん。藤の湯のこの唯一無二のレトロ感は、建て替え時のそういった銭湯トレンドに左右されることなく、先代の審美感が形となった結果なのかもしれません。
骨董品や陶器などを愛してやまなかった先代は、もともと劇団四季にいらっしゃった方。そのせいでしょうか、藤の湯の造りはまるでお芝居の舞台のように美しい。そして先代が作り上げた空間に、山口さんのこれまたセンスの良いフクロウの絵や置物が、絶妙な間隔で配置され、唯一無二の雰囲気を作り上げているのです。
インパルスの堤下さんが登場して話題になった「世田谷湯屋巡りスタンプラリー」でもらえるTシャツのデザインも、実は山口さんが担当されたもの。
引用:https://www.setagaya1010.tokyo/information/stamp-rally2016/
水浴びするぞうさんが可愛いです。
色味も凝っていて、サイズが足りなくなるくらい評判なんだとか!
これだけ他の銭湯と一線を画しているのに、ご主人は「自分じゃよくわからないよ。他の銭湯と比べたりしないから」とあっけらかん。気取らないけど洗練されている、その感覚が本当におしゃれ。TOKYO NO.1 OSHARE SENTO (勝手に認定) もあながち間違いじゃなさそうです。
お ♨ ま ♨ け
♨ 最後はTOKYO SENTO代表も開店準備をお手伝い ♨
藤の湯さん、お忙しいところ、ありがとうございました!
銭湯の美しいタイル絵なんかを眺めうっとりしながらお湯につかっては日々のぼせています。
WEBSITEINSTAGRAMお風呂上がりは近所のしぶめの居酒屋で湯上がり一杯が鉄則です♨
普段はものをつくったりしています。