「今日のオフロ#東京編」第十四話。4年前のラグビーワールドカップのお話
今年のラグビーワールドカップは、普段まったくテレビを見ない私も、旅行先のホテルで試合をみたりして、すこしだけ情報を追っていました。
4年前の今頃のこと、当時よく通っていた銭湯にラグビーファンのお姉さんがいて、イングランドまで試合を観にいくという理由からしばらく彼女の家の庭掃除のアルバイトをしていたことがあります。
後日、日本vs南アフリカ戦で本国が勝利したことはテレビのニュースで知りました。当時、弱小と思われていたであろう日本ラグビーチームの勝利はすごいことだったようで、2週間後に帰国した彼女は興奮した様子で、現地の様子を教えてくれました。
会場中がJAPAN!の声援でいっぱいになったことや、試合の翌日に日本人とわかると外国の方に握手を求められたこと、「昨日の試合、最高だったよ、ありがとう!」といったことを英語で話しかけてくれたことなど、嬉しい限りのエピソードを話してくれたことを覚えています。
「この試合で、愛と努力と勇気って世界共通だなってわかったの!!」
体を洗いながら、そんなことを話してくれました。自分よりも年上の方がこんなに目を輝かせて、こんなに素敵な言葉を話す姿を見たのは初めてだったので、
「庭掃除へ向かう途中、あなたの家の近所で孤独のグルメのロケがあって、松重豊さんが道端で台本を読んでいましたよ」と、庭掃除へ向かう途中の体験をどうしても話すことができませんでした。
それから4年後の2019年、旅先のホテルで観戦した日本vsスコットランド戦は、甚大な被害が出た台風19号の翌日。その中で収めた勝利は、普段世界選手権やオリンピックに微塵も興味がない私でもすごく嬉しかったし、感動した出来事でした。
「あのお姉さんはきっと今、私の何倍も喜んでるだろうなあ」、とホテルの部屋で一人、テレビを見ながら思いました。
4コマ漫画「今日のオフロ#東京編」とは?
銭湯の目の前で暮らす、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」ライター・のんたん。彼女の目から見た、ちょっとゆるくて、ちょっと優しい東京都内の銭湯での日常を、4コマ漫画でお届けします。※4コマの内容は基本すべて、ノンフィクションです。
銭湯4コマ漫画家(のんたん)
・風呂つきアパートの目の前に銭湯があり、ほぼ銭湯に通っている女です。
・銭湯で起こったことを、抑揚のない4コマで展開しています。
・絵筆を持つと全く異なる作風を発揮します。(詳細はinstagramで)
・音楽と散歩、種田山頭火が好きです。
・銭湯に特別なこだわりはありませんが、銭湯で過ごす平和な時間が一日でも長く続けばいいと思っています。
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