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【今日のオフロ#東京編】#013湯沸かしのあと

 

「今日のオフロ#東京編」第十三話。湯沸かし市のあとのお話

湯沸かし市

2019年8/11(日祝)-12(月祝)に神保町「TAM COWORKING TOKYO」で行われた湯沸かし市。実は私もひっそりと出店していました。(ご来場頂いた皆様、誠にありがとうございました。)

その時、私は紙ものしか販売できず銭湯グッズが思うように販売できなかったことと、人見知りが災いしてまともに会話できなかったことに終始猛省し、どんよりした気持ちで2日間を過ごしていました。

そんな日の記憶を少しでも無くしたくて、月曜の夜はいつものように一人でアパートの目の前にある銭湯へ向いました。

あまりにも落ち込んでいたため、「帰ったら何もせず、好きな音楽をyoutubeで聴きながらゆっくりしよう。」と思って帰ろうとした直前、いつもなら会話をしないはずの店主に、なぜか呼び止められました。

店主「お姉さん、今日神保町かどこかで作品集売ってたでしょ。」

自分「はい。」

店主「一冊買いたいから今持ってこれる?」

自分「…ちょっと待っててください。」

どうやら店主は最近始めたSNSで湯沸かし市を知り、常連客がそこで作品集を販売しているということを知ったらしく、声をかけてくれたようです。その銭湯は引っ越ししてから通い続けて3年経過していましたが、一回もまともな会話をしたことはありませんでした。だから声をかけられた時、こういうことをおっしゃってくれた喜びよりも、

「この人、私の顔覚えてたんだ。」という驚きの方が大きく、困惑さえ覚えたほどです。店主は作品集をめくりながら、銭湯を継いでいなければ芸術の道に進んでいたと話してくれました。

どんなお客さんに対しても余計な会話をせず、黙々と仕事をこなす姿が目立っていたので、こういうこともあるんだなあと、私は淡々とした目で、ページをめくる目の前の人を見つめていました。

今現在は、その瞬間が嘘だったように会話もせず、ただカウンターで簡単な挨拶をするだけの日々が続いています。

絵は2012年ごろから、本当に細々と続けていました。7年も経過して何か結果を残せたこともないけれど、こうして誰かに届いたんだとわかる瞬間は本当に嬉しいです。

湯沸かし市さん、その節は私にお声がけいただき、本当にありがとうございました。

 

4コマ漫画「今日のオフロ#東京編」とは?

銭湯の目の前で暮らす、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」ライター・のんたん。彼女の目から見た、ちょっとゆるくて、ちょっと優しい東京都内の銭湯での日常を、4コマ漫画でお届けします。※4コマの内容は基本すべて、ノンフィクションです。

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のんたん(クボタ ノブエ)

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