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【荒川区 / 三河島駅】今日のみや風呂:大正時代から続くレトロ銭湯「帝国湯」

〒116-0014 東京都荒川区東日暮里3-22-3

こんにちは。今日も呑気に♨︎に浸かるみやべえです。

普段は生活圏内である杉並区あたりの銭湯を徘徊している私ですが、「大正時代から続く激渋銭湯があるぜい」という魅惑的な餌に釣られ、今回は少し足を延ばして荒川区にやってまいりました。

「荒川区といえば、かの有名な荒川アンダーザブリッジの舞台かなぁ」という知識貧乏の荒川ビギナーがおそるおそる降り立ったのは、JR三河島駅。そこから10分ほど、味のある細い路地を歩いた先に忽然と登場するのが今回のお風呂、帝国湯さんです。

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重厚感のある瓦が敷き詰められた、お城のようにどっしりとした門構えの建物。何度目を凝らして見ても「て…川ホく?」としか見えなかった『湯』の上に書いてある文字は、旧字体の日本語で、「ていこく」とかいてあるとのこと!

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昔の字ってこんなに違うんですね。私が銭湯の前に数分立っている間にも、通りすがりに思わず写真を撮る外国人や観光客らしき方がちらほらおりました。


♨︎100年の歴史を抱え佇む帝国湯


今年でちょうど100周年を迎える帝国湯。のれんの文字もそうですが、ふと周りを見渡すだけで随所からにじみ出る歴史の迫力がすごいんです。

まずは男湯ののれんをくぐると…

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高い天井と浴場まで全面ガラス張りの扉で、とても広く感じる脱衣所。いかにも年季の入っていそうな、柱時計や壁掛けの大入り板が目立ちます。

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出迎えてくれたのは今年70歳を迎える帝国湯の5代目オーナー、甚五(ジンゴ)さん(人の年齢はだいたい干支で数えるタイプ)。昔の写真をたくさん持ってきて、帝国湯の歴史を説明してくれました。

大正5年に建てられた帝国湯は、戦災や火事をくぐり抜け64年前の昭和27年に建て替えた以外は、当初から全体的な仕様は変えずにずっと続いてきているそうです。

浴場の入り口に掛けられた、いかにも年季の入った入浴者心得にも、昭和27年6月と、当時の日付が刻まれています。

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建て替え当時、ジンゴさんはまだ小さい子供だったらしいのですが、火事の後、子供たちが不安にならないようにと、天井が焼けて星空の見えるお風呂を「露天風呂だよ」と言っていつも通りお風呂にいれてくれた素敵なお父様のお話など、心温まるエピソードがここにはたくさん詰まっているようでした。

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ちなみに、なにげなく男湯の脱衣所に置いてあったこの松は、実は今年60歳を迎えるとか……。私の倍ほどの大先輩なので、うかつに触れません。。


♨︎ここでしか見られない、にんじんロケットうさぎが見守る浴場


さて、浴場に参りましょう。

大きな木造りサッシの窓ガラスがめずらしい、広々とした浴場。いまどき都内で、こんなに大きな窓がついている(しかもそこからお庭が見える)浴場ってほとんどないのではないでしょうか。秋の十五夜では天窓の一番端からキレイなまんまるお月さまがみえそうですよ。とにかく採光がサイコーなので、昼間は日の光だけでかなり明るく感じます。

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こちらは女湯。

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三保の松原から見あげた大きな富士山が気持ちのいい帝国湯のペンキ絵は、すでに他界された銭湯ペンキ絵師・早川利光さんによるもの。亡くなった今でも、豪快な水しぶきや力強い画力で有名な、彼の作品を見に訪れる人もいるほどファンの多い人気絵師さんです。

通常の銭湯のペンキ絵は2~3年で修繕が必要になってくるそうなのですが、こちらはファブリック生地に描いた珍しいもので、もう10年ほど前に描かれたものなんですって。

あれ……?

よく見ると富士山の前に、不可思議な飛行体。

 

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に、にんじんロケットに乗ったうさぎが飛んでる……!!!

男湯側にはヘリコプターも飛んでいました。笑

ジンゴさんがリクエストしたわけではないそうなのですが、親子で来たお客さんには大人気。お風呂に浸かりながら親子でペンキ絵を見て話がはずむようにとの、早川さんの粋な心使いなのかもしれません。

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脱衣所と同じく高い四角い、浴場の天井。ここは、その昔日章旗が掲げてあり、この四角いデザインは額縁だったそうです!時代が移り今は日章旗は掲げることはないそうですが、当時の面影を感じられる貴重な体験でした。


♨︎3種の『超熱湯』が特徴


帝国湯のもう一つの特徴は、お湯がとにかく熱いこと。

お風呂は壁際から、薬湯・バイブラ湯・ジェットバスと3種類のお風呂が揃うのですが、薬湯以外がとにかく熱い。基本設定が45度とのことなので、体感は48度ほどなのではないでしょうか。今まで入った中でも、確実にエースを狙える熱さ。気泡噴射浴泉であるバイブラ湯も気持ちいいのですが、「あーきもちい……あっち!…きも……あっちい!!!」と熱さが気になって「きもちいい」が最後まで言えないほどの、熱さとの戦いです。薬湯はそこまで熱くはないので、熱いのが苦手な方は、そちらからちょっとずつ試してみるとよいかもしれません。。

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壁面の美しい鯉の絵は、石川県九谷焼から取り寄せた陶器。陶器なので色が落ちてくる松を、なんとジンゴさんが自分のマニキュアでペイントしたりもしているそうなんです。(塗ってるところ想像するとなんともかわいい。。)写真左奥のちょっと濃い目の色の松の葉なんかはジンゴさんお手製とのことなので、訪れた際は、ちょっと濃い緑の葉を見つけてみてください★


♨︎ヒイラギの角も丸くなる!季節の花々が彩るこだわりの庭園


最後に、帝国湯で是非楽しんでほしいところ。

それは、銭湯を囲むように3つ作られたちいさなお庭です。

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湯あがりにこんな風情のあるベンチや灰皿の横で、風にそよぐ木々やゆうゆうと泳ぐ鯉を眺めながらのんびりすごす時間は最高に贅沢。

ジンゴさんが大切に育てる庭園は季節に合わせて様々な花を咲かせ、むく鳥やガマガエル、アゲハ蝶などいろんな生き物も訪れるそうです。

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「今後銭湯をこうしていきたいとか、考えていることはありますか?」

と聞くと、

「このまんま。この建物を守って、なんにもかわらずに、ただゆっくりお風呂に浸かるこのままの銭湯を残していきたい」

と語るジンゴさん。

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単にレトロなだけではない、時代とともに生きてきた銭湯と、ジンゴさんの歴史が流れる素敵な銭湯が、これからもずっとずっとありつづけて欲しいと思いました。

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みやべえ

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