あなたは稲城市に行ったことはありますか?
多摩川対岸の府中市や、隣接する多摩市と比べると、どうも影が薄い稲城市。
例えば府中市には、東京競馬場やサントリーのビール工場など大きな施設が多く、多摩市はジブリ映画『耳をすませば』の舞台として聖地巡礼をするファンも多いとか。しかし稲城市と聞かれても、なかなかイメージできない方が多いのではないでしょうか。
稲城の街を歩いてみると、とてものどかです。多摩丘陵と多摩川に挟まれたエリアは、田園風景と梨畑が広がり、たくさんの用水路が走っています。季節になればあちこちで梨を売る姿が見えます。そう、昔から稲城といえば、梨。が定番でした。
稲城浴場のすぐそばを流れる用水路。水量があり鯉の姿も見える。
しかしここ数年の稲城といえば、ガンダム。らしい
ガンダムをはじめ数々のロボットアニメのメカニカルデザインを担当した大河原邦男氏が、稲城出身ということもあり、稲城市はメカニカルシティを名乗り、ついには、2016年4月には南武線快速停車駅「稲城長沼」駅前に全長3.6mの巨大なシャア専用ザクとRX-78ガンダム像を建ててしまうほど。同様にお隣の南多摩駅前にはヤッターワンが設置されている。市をあげてメカニカルシティ推しなのだ!
稲城長沼駅にあるガンダムとシャア専用ザク
そんなモビルスーツのある稲城長沼駅から5分ほど歩いた住宅地の中に『稲城浴場』があります。稲城市ではここが唯一の公衆浴場です。
スーパー銭湯に負けないほど、設備が充実した銭湯
1996年に新築されたという新しい建物は、店頭に駐車スペース、目の前にもコインパーキングがあり車でも行きやすいうえ、充実施設が人気のようです。立ちシャワー、ジェットバス、電気風呂のほか、露天風呂、そしてミニミニプール(露天水風呂)と種類も豊富です。
サウナは別料金ですが、専用ロッカーが用意され、バスタオルとハンドタオルも提供されます。そしてサウナ利用者専用洗い場、専用水風呂、2階にはマンガ本とTVが置かれた専用休憩スペースと至れりつくせり。
実は稲城市にはスーパー銭湯の『よみうりランド丘の湯』『稲城天然温泉 季乃彩(ときのいろどり)』という充実設備の日帰り温浴施設もあるのですが、ここは絶対的な広さでは劣るものの、設備的に勝るとも劣らないレベルです。
むしろ、ここには昔ながらのあたたかい空気感があります。例えば日帰り温浴施設のサウナで話をする人は少ないですが、ここでは顔なじみになった人たちがサウナ室のTVを眺めながらニュースに文句を言ったり、相撲中継に物言いを付けたりと、コミュニティスペースとしての役割も果たしています。
お孫さん連れのお爺さん、小学生が友達と来たりと、客層も様々です。
密かな店主のアピール? 映画のポスターが貼られた脱衣所
店主の趣味なのでしょうか?
脱衣所と休憩スペースには映画のポスターがフレームに入って飾られています。お風呂上がりにレモンスカッシュを飲みながら連れを待っていると、そんなことに気づきました。
特に説明があるわけでもなく、さりげなく飾られた映画のポスター。
このさり気なさが、この銭湯の清潔で細かなところに行き届いた心地よさのひとつなのかな、そんな風に感じました。
仕事に疲れると多摩地区の銭湯に出没。またFリーグアウェイ遠征時は各地域の銭湯を利用します。
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