青森ヒバでお湯が何倍にも楽しめる! ぬくくて、やわらかなお風呂です。
銭湯と何を合わせるか、といえば人それぞれだと思うが、ぼくの場合はラーメンであることが多い。
パンチの効いた食べ物でお腹を満たしたあとには、自然とお湯に包まれたくなってしまうもの。
この日も新小金井街道沿いにある、某有名ラーメン店が当初の目的だった。
だから近くにある銭湯はチェックして出発。
それがこの『ぬくい湯』だった。
なんだかキャッチーでかわいい名前!
名前は「ぬくい=(温い)」にかかっているのかと思いきや、どうやら「貫井」という地名が名前の由来らしい。
初見では読みが難しいから、この親しみやすいひらがなに思わずほっこりとする。
小金井市では唯一の銭湯だ。
JR武蔵小金井駅の北口を出て、目抜き通りを真っすぐ進む。
本町二丁目交差点を左に折れて、新小金井街道手前くらいまで進むと、背の高い煙突が右手に見えてくる。
通り沿いに目立つ看板こそ見えるが、まるでガレージのような入り口。
ここが目的でないのなら、無骨な外観もあって入り口だと気付かない人もいるかもしれない。
両親の実家に帰ったようなレトロ感
味わいのあるのれんをくぐると、そこは紛れもなく銭湯の風景。
中央の番台で入浴料金を支払って入場する。
脱衣場の中央にはソファーが置かれていて、湯上がりもゆったりと過ごせる団らんの場所。
子供用の遊具もあって、子供連れ家族で入るのもきっと楽しいだろう。
洗い場は赤を基調としたレトロなタイル調で都内ではなかなか見かけない。
どちらかというと、家庭的な雰囲気すら感じる。
このなんとも言えない懐かしさだけで、テンションがじわじわと上がってしまう……!!
長方形の浴槽が壁側に大きく1つ。
そう言われると、正直なところこれだけではオリジナリティを感じないかもしれない。
だが『ぬくい湯』を”ぬくい湯”たらしめているのは、ヒバでしつらえた手作りの浴槽があるということだ。
唯一無二だから、好きになりたいお風呂。
たっぷりと注がれたお湯に入ると、ヒバのやわらかな感触を身体に感じる。
お湯と溶け合うようで、この安心感が何ともたまらない。
この感覚を表わすとすれば、そう、まさに「ぬくい」という言葉が一番近いのだ。
職人が丹精込めた浴槽は青森産のヒバを使用しているとのこと。
木の浴槽は決して珍しくないかもしれないが、ここにしかないやさしいお風呂がある。
馴染むように身体に行き渡たる隠れ家だった。
趣味は古着収集と飲酒。サウナ付き銭湯で心身を整えています。ライフワークとして風景やスナップを撮影。
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