文・写真:アカリ
「ザ・銭湯の佇まい」に胸躍る
絵に描いたような銭湯で昔ながらの寺院造り。
外観は最近改装したばかりで、入り口は女湯側が赤色、男湯側が青色と楽しげに。また、塀は漆喰にベージュを重ねて落ち着いた和の雰囲気を醸し出しています。
側面側から見るとさっきとは打って変わって、まるで工場のような雰囲気にドキリとします。縦にも横にも凹凸のある銭湯は、まるで複数の建物が重なっているよう。長い梯子が置かれている生活感や年季の入ったコンクリート。この歴史を重ねた姿につい想像力が膨らんでしまいます。
コインランドリーが併設されていて、その青い屋根には「パパママ大きなお風呂に入いろうよ」となんとも可愛らしい謳い文句があります。街での銭湯の位置付けが窺えるように思えます。
文京区の銭湯は毎月イベントを行っていて、この月の26日はお風呂の日で中学生以下入浴無料に。
たとえば2月はバレンタインにあわせてチョコレートの湯を開催するなど、聞くだけでワクワクするようなイベントが盛りだくさん。毎月訪れたくなりますね!
フロント式ロビーでは、ソファに座りながら店主さんと話している方がいて、アットホームな雰囲気です。
吹き抜けるような高い天井と水色の浴室は開放感たっぷり!
浴室に入ってまず感じるのはその開放感。高い天井と水色に塗られた壁面はまさに「大きなお風呂」の印象。中島盛夫さんのペンキ絵もより壮大に見えます。高い天井ゆえに響いて聞こえる男湯からの桶の音も、誰かと一緒にお風呂に入る特別感があり素敵です。
お湯の種類は、薬湯、リラックスバス、ミクロバイブラ風呂の3種類です。薬湯は毎日変わります。シャンプー&リンス、ボディソープが常備してあるサービスも嬉しいですね。BGMの流れる脱衣所は立派な格天井で、坪庭の池も見ることができます。
湯上りはほてった体を神田川沿いの散歩で冷ましながらレトロな都電で帰る……なんて入浴後まで完璧な『豊川浴泉』。ぜひ体験してみてください!
建築専攻の大学生。
プロジェクトをきっかけに銭湯に興味を持つ。定点型で同じ銭湯に通い詰める派。
銭湯のコミュニティを見ることが楽しみ。