UMENO-YU

提携銭湯『梅の湯』の情報はコチラ。

SCROLL

MENU
BACK

『梅の湯』三代目の取り留めのないコラム Vol.01

梅の湯 三代目 クリタ が取り留めのない話を綴るコラム

 


 はじめに


どうも、こんにちは、こんばんは。荒川 『梅の湯』 三代目 クリタ です。

9月も終わり、ついこの前までは夏の気分でしたが、すっかり季節も秋模様となってきましたね。それも『梅の湯』では9月3日まで『夏休み!!ガラスびん×地サイダー&地ラムネ in 銭湯 2017』という夏らしいイベントを開催しており、その余韻に包まれているという事もあるからかもしれません。

地サイダー&地ラムネのイベント開催中の7月、8月は「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」のサイト内で地サイダー・地ラムネの全品レビューという記事を5回ほど立て続けに書かせてもらっていました。自分の言葉を文章にしてみんなに見てもらうという作業を1ヶ月ほど続けていたわけですが、なんとなく習慣になってきていたので、このまま終わりにしてしまうのは、少し勿体無い気がしています。

そこで「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」代表のヒノくんにサイト内で、自分がライターとして記事を書いてもいいかと聞いてみたところ「梅の湯なりの自由な切り口でやってみてよ」と背中を押してもらったので、新たな試みとして、銭湯店主によるコラム記事を投稿しようとなったわけです。

今回は本文のコラム記事に入る前に自分と『梅の湯』の紹介を少ししたいと思います。

自分と「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」そして、ヒノくんとの出会いは2年前の『梅の湯』改築工事中の頃に遡ります。自店の『梅の湯』が改築中ということで、代わりに運営していた川口にある『喜楽湯』で取材を受けたことから始まります。

 

ー 初対面ショット   なんでしょうか……ヒノくん(左)のふてくされた感じが気になります(笑)。 ー

 

【その時の記事はこちら】
【埼玉県 / 川口駅】三代目は弱冠31歳!同年代で銭湯を一緒に考えたい、「喜楽湯」【PART.1】

この記事の中でも触れていますが、会社員を辞め、銭湯に従事して7年 「そろそろ何か大きな動きをしたい、若い人と一緒に銭湯を盛り上げたい」と考えていた時に、ヒノくんはじめ、この「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」メンバーとの出会いを果たしたわけです。そして「何か一緒にやりたい」という言葉の通り、お互いが一緒に動き始め、約半年後……

「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」法人化と「喜楽湯」経営に関するお知らせ 】という新たな1歩を共に歩み始めたわけです。

川口にある『喜楽湯』の経営を「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」に引き継いだ後、2016年9月に【 梅の湯をリニューアルオープン 】させ、『喜楽湯』そして「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」と共に様々なイベントや試みを行いながら、現在に至ります。

とても大まかな自己紹介になりましたが、ここに出てきた会社員の時代の話や、引き継ぎの話などもいつかこちらのコラムで書いていきたいと思います。

さて、肝心のコラムですが自分としては内容もあまり深く考えず、休日のことやイベントの後日談・裏側などを中心に書いてみようと思っています。「銭湯」というワードに縛られることなく書こうと思っていますが、そこから銭湯に繋がる話も出てくるかもしれませんし、何かアイデアが生まれた瞬間を語ることができるかもしれません。拙い文章となることは間違いないですが、銭湯店主の取り留めのないコラムとして楽しんでいただけるとありがたいです。

 

◆ Column Vol.01


 ROCK IN JAPAN FES. 2017


早速何を書こうかと思ったときに、自分は仕事以外はどうやって過ごしているのか、何に興味を持っているのかをここで知ってもらうのもアリだと思った。あわよくば同じような趣向をもった人に『梅の湯』に来てもらいたい……という淡い期待を抱いているわけだ。

自分の夏の風物詩といえば「夏フェス」。銭湯で働く前は4年ほど都内で会社員をしていたが、7月、8月の毎週末は全国の夏フェスへ遠方まで足を運んだ。現在は仕事の休みが週に1日しかない、しかも月曜日定休なので一般的な週末に開催されるイベントとはとんと縁がなくなってしまった。

そんな現在であるが、会社員時代と同じように土日に仕事を休んで、かれこれ10年近く行き続けている夏フェスがある。それが茨城県ひたちなか市で開催されている「ROCK IN JAPAN FES.」だ。

 

ー 会場内で一番大きい GLASS ステージ 5万人収容の巨大なスペース ー

 

「ROCK IN JAPAN FES.」通称「ロッキン」は2000年から始まった日本最大級の邦楽を中心とした野外ロックフェスであり、自分はかれこれ2006年から2017年まで必ず会場に足を運んでいる。
オフィシャルサイト:http://rijfes.jp/

もともと小学生の時からテレビで流れてくるJ-POPや歌謡曲は好きで、まさに中高生を90年代の音楽バブルとともに歩んできた世代である。レンタルショップでCDをレンタルし、それをカセットテープに録音してウォークマンで聴く。そんな青春時代を過ごした。高校時代に周囲の友達がバンドを始めたりするのをきっかけにライブハウスに足を踏み入れ、そこからいわゆる「インディーズ」と呼ばれる少しアンダーグラウンドな音楽シーンにハマっていった。

友達のバンド(今は解散してなくなってしまった)の演奏は素人の自分ですら、「あ、間違ったな」とか「上手く噛み合ってないな」と感じてしまうクオリティのものだったが「CDで聴く完成された音」ではなく、目の前で実際に演奏され「音の振動を体感することの出来る音」はカラダだけではなく、高揚感があり、心を震わせるものであった。

そんなこんなですっかりライブジャンキーになってしまった自分が行き着いた先が野外音楽フェスだった。

毎年、申し訳ないとは思いつつ、8月の土曜、日曜と2日間休みをもらって、茨城県ひたちなかに向かうわけのだが、もちろんその土日も『梅の湯』は営業をしている。「ロッキン」に行く週は1週間かけて、土日にトラブルが起きないようにありとあらゆる根回しをしておく。前日の金曜日は営業後の清掃が終わったあと、商品の補充や土日の薬湯の準備など、やれることを出発時間の直前までやり、そのまま出発するのがここ数年の流れだ。

最近では近所のバーで知り合った同世代の友人と4人ほどで集まり、参加している。朝の5時前に東京を出発し、7時前には会場付近のキャンプスペースに到着する。宿泊する為のテントを建て、一息つく間もなく会場へ向かう。会場の国営ひたち海浜公園は東京ドーム13個という広大なスペースだ。会場内に休憩用のテントを設置し、ようやく一息つく。この日は車を運転することはないので、仲間と朝一番9時頃からビールで乾杯となるわけだ。

そのあとに夜までライブを見るなんて、すごい体力だね!とよく言われるが、もちろんオーバー30の現実はそんな風にはならない。自分の場合、滞在時間の7割ほどをテントか飲食スペースのテーブル等で過ごしている。気が向いたとき、とても見たいアーティストがやるときだけ、ステージの近くにいったり、場所を移動する。

もうお金を払って、暑い中、野外で時間をただ過ごしているといっても過言ではない。ダラダラ過ごすならば家の方がクーラーも効いているし、食事は出前ですませば良い。しかしフェスの会場にはそこらじゅうで音楽が周辺の空気を揺らす音量で流れている。これは家にいては味わえない、まさに「非日常」なのだ。

 

ー メインゲートである「翼のゲート」。これが「日常」と「非日常」の境い目 ー

 

海外旅行に行った先でホテルに篭って好きなように過ごす。自分の中ではまさにその感覚に近い楽しみ方、過ごし方なのだと思う。そんな過ごし方をして時間もお金も勿体無い、などと思ったことは一度もない。爆音・灼熱の環境にいながらしてとてもリラックスし充実した時間を過ごせているのだ。

そんなフェス会場で今年は初日の土曜日に梅の湯 Tシャツ「梅男T」を来て会場を練り歩いていた。「ロッキン」は1日に6万人以上の来場者が訪れるフェスだ。全国各地から参加者が集うが、その中で1人くらい『梅の湯』を知っていて、このTシャツを見てピンとくる人がいるのではないかと、期待していたのだが、もちろん声を掛けられるなんてことはなく、謎の変なTシャツを来た人として1日目を過ごしたこととなった。

しかし2日目。その日は自分の好きなアーティストのTシャツを着て、いわゆるフェスにおける普通の格好をして過ごしていたのだが、お昼過ぎにフラフラと歩いていると、すれ違った男性が来ていたTシャツに目を奪われ、思わず声を掛けてしまった。

そこには赤色のTシャツに白文字で【  蒲 田 温 泉  】と描かれたTシャツを来た男性が!

ー 蒲田温泉Tシャツ。すごい数を売っていると聞いていたが、ここで出会うとは……。  ー

 

高ぶった気持ちを抑えながら、彼を呼び止め、話を聞いてみると、大田区の『蒲田温泉』ユーザーで前日の土曜から友人と蒲田温泉Tシャツを来て、フェスに参加していたとのこと。なんで今日、自分は梅の湯Tシャツを来ていないんだという後悔の念を抱きながらも、銭湯トークを少しばかりした後に、固い握手を交わし、何故か自分がいつも持ち歩いている「梅の湯バッジ」を記念にプレゼントして別れた。そして自分は来年は絶対に梅の湯Tシャツを会場で着続けようと強く心に誓ったのだ。

蛇足的になるが、今年は「ロッキン」でどんなアーティストを見たのかというと、

【 1日目 】ゴールデンボンバー / 赤い公園 / Suchmos / 打首獄門同好会 / マキシマム ザ ホルモン / B’z /
【 2日目 】WANIMA / エレファントカシマシ / さユり / ゆず / 桑田佳祐 /

このアーティストを見てる以外の時間はダラダラ過ごしていると思ってもらって間違いないと思う(笑)。

そして最後にお風呂屋のメンツを保つために、日曜日の帰宅後、23時からお店番を2時間し、仕舞い掃除もきちんとやったということは、ぜひとも知っておいてもらいたい。

 


 天ふじ presents 大 素麺 祭 (流し)


ー イベント名は当日に自分が勝手に命名 ー

 

7月のある日、『梅の湯』の斜め向かいで天ぷら専門店「天ふじ」を営んでいる長沼さんの奥さんより、相談があると言われた。何やら、昨年の夏に天ふじ店頭で知り合いをを集めて開催した、流しそうめんの企画をやりたいから、『梅の湯』の店舗前の広くなったスペースを使ってもいいかというものであった。開催の予定日は月曜とのことで、『梅の湯』も定休日なので問題ないので、どうぞ使ってくださいと快諾し、逆にそんな楽しそうな企画なのでぜひ自分も参加したいですということになった。

ちょうど昨年、流しそうめんの企画をやった時期は『梅の湯』がまだ改装工事中で、自分も「天ふじ」さんでそのような企画が開催されていたことを知らなかった。昨年はどのような様子だったかを聞いてみると、参加者が思いのほか多く集まり、少し盛り上がりすぎてしまったため、もう少し広いスペース&住居に隣接してない『梅の湯』前の場所を使うという案が出たわけだ。何やらラジカセを使ってDJも行っていたとのことで、個人的にはそんな素敵なことをしてたなんて!とワクワクして仕方がなかったのだが、このご時世なかなかそうは簡単にならないもので、やはり近隣の方から厳しい声もあがってしまったわけだ。

イベントを企画する時によくある、楽しく盛り上げてやりたいが近隣の方にご迷惑はかけたくないというジレンマに直面しているのを目の当たりにすると、ただ参加したという気持ちより、協力して楽しいイベントにしたいという気持ちの方が大きくなってくるものだ。

夏の気持ちのよい空の下ではなくなってしまうが……という思いもありながら、『梅の湯』の店内・お風呂場を使って流しそうめんをやるのはどうですかと提案をしてみた。どうせ定休日だし、多少の音を出しても室内なので騒音もクリアできるはず、排水や電源確保も問題なしですよと。

この提案に長沼さんは大変喜んでくれて、そこからは「じゃあアレもやっちゃおう!」の会話が止まらず、どんどんとイベントの内容が膨らんでいったわけだ。

 

ー セッティング完了。インスタ映えとはこのこと ー

 

結果的に浴室にDJブースとLIVEスペースを設置し、そのDJブースの目の前をそうめんが流れる竹の橋がかかるといった見たことのない光景が出来上がった。料理も持ち寄りのものから、天ふじさん揚げたての天ぷらまでが揃い、もはや仲間内で開くパーティーの域を超えた規格外のものとなったわけだ。

湯船にお湯は張っていないが、いつもの入浴風景と同じように湯船内のイスに腰掛け、お互い向き合いながら談笑する人もいれば、カラン台前のイスにひとり座り、DJの流す音楽に身を揺らす人、お風呂の営業をしていないのに、営業している時と同じような光景が形成されていることが面白くもあり、銭湯の持っているチカラなのかもと、とても感慨深い気持ちになった。

少し前から荒川ケーブルテレビと荒川区広報課 共同の取材が『梅の湯』では行われており、もちろんこのイベントの際も取材に来られていた。自分もお酒を飲みながら、お手伝いなどをしている中、質問を受けたり、コメントを求められたりしていたので、きちんと取材出来たのかはとても不安ではあるが(笑)、「なぜ今回、梅の湯の場所を提供したのですか?」という質問に「楽しそうだし、面白いものになりそうだったから」と取材泣かせの中身のない返答をしてしまったのは今思うと、少し申し訳ないことをしたなと思っている。

 

ー 僭越ながら乾杯の音頭を取らせてもらう ー

 

『梅の湯』はリニューアルしてから、寄席やヨガなど今まで銭湯で実施されてきたことのあるイベントだけでなく、ビール試飲会や最近では映画上映など今までになかったような色々なイベントを実施してきている。
今回のように、相談から雪崩式にイベント開催まで突き抜けるケースもあれば、自分なりに考え抜き、準備をしっかり進めた上で満を持しての実施となる場合もある。『梅の湯』は圧倒的に前者のケースが多いため、また開催しようとか、次はこうしようなどといったことまで、考えが至っていないことが多々ある。その時の情熱や想いが冷めないうちにとりあえず形にするのだ。

なのでまた同じようなイベントが実施されるかは自分もわからないし、またその保証も全くない。

「イベントの盛況が日々の銭湯への集客に直接繋がるわけではない」ということを、京都『梅湯』の湊くんが言っていたが、それは自分も強く感じている。ただマイナスにはなっていないと確信もしている。今後もまた何かを思いついた時、その気持ちの思いつくまま、行動を起こすことにしている。

ということで、次は10月1日に1日限定で『梅の湯』をBARにすることにした。

 

 BAR UMENO-YU wirh COUNTER BAR CROOTS 

 

コンビニで売っているリーズナブルな缶カクテルもいいけど、ちゃんと作ってもらうカクテルはまた格別だ!ということを色々な人に知ってもらいたいという気持ちから、CROOTSのマスターの協力を得て、実現することになりそうだ。

色々と準備は進めているが、このイベントがどのようなものになるか、自分もまだわからない。しかしそれ以上にワクワクしている自分がいるのだ。

 

◆ Column Vol.01 FIN.

AUTHOR

梅の湯

TAG

イベントコラム三代目喜楽湯梅の湯荒川区
  • FACEBOOKでも記事をお届け!
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう

RECOMMEND

ARCHIVE

RANKING

PAGE TOP