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“映画館”と“銭湯”は似ている!?「1126THEATER(いい風呂シアター)」の仕掛人へインタビュー!

毎年11月26日「いい風呂(1126)の日」には銭湯で様々なイベントが行われますが、昨年初開催されて好評だった“お風呂空間でショートフィルムを観る”という「1126THEATER(いい風呂シアター)」というイベントはご存じでしょうか。(「1126THEATER(いい風呂シアター)」についてはこちらの記事もご参照ください。)

 

【1126THEATER(いい風呂シアター)概要】

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」の協力の下、湯船に浸かりながら楽しむことができる3~10分程度のショートフィルムを特別にセレクション。各地の銭湯や温浴施設でショートフィルムを上映する「1126THEATER(いい風呂シアター)」が開催されました。
●開催期間:2017年11月20日(月)~11月26日(日)前後
●公式URL:http://www.hot-japan.or.jp/campaign/2017_01/>
●主催:一般社団法人HOT JAPAN、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア

 

「1126THEATER(いい風呂シアター)」が誕生したきっかけについて、仕掛人・大橋哲也さんに聞いてみました!

実際にイベントに参加した人も、気になっていたけど参加できなかった人もたくさんいると思いますが、今回はイベントの仕掛人「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」の大橋哲也さん(写真右)に、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」編集長の高橋(写真左)が色々とインタビューをしてきました!

対談の場所は、イベントの開催会場の一つでもある「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」が運営する『喜楽湯』です。

 

―まずは「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」実行委員会でビジネスプランニングマネジャーを務める大橋さんに、そもそも「1126THEATER(いい風呂シアター)」が誕生したきっかけからお話を伺いました。

 

大橋:
「昨今、映画界では野外イベントや移動式映画館などの「体験型」が注目されています。何か新しい映画の見せ方が出来ないかと思っていました。」

 

―食事をしながら野外スクリーンで映画を楽しめるイベント「新宿シネマ&バルWEEK」。体験型の映画イベントが今、注目されている―

大橋:
「その体験型の一つとして“映画”と“銭湯”は相性が良いのではないか感じていました。ちょうどそんな時に高橋さんに出会いまして……」

 

―じつは「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」編集長の高橋は、映画評論家を夢見ていたほどの映画好き。昨年は「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」の映画祭でBranded Shorts部門の映画ライターとしても活動していました―

高橋:
「そう、その映画祭の打ち上げで、大橋さんと出会って意気投合して。“映画”と“銭湯”をどういう形でコラボレーションできるか、すぐ二人でアイデア会議しましたよね」

大橋:
「そのいくつか出てきたアイデアの中で、“日本のお風呂を、もっと世界に。”というコンセプトで活動しているHOT JAPAN PROJECTに企画を持ちかけることにしたんです。

“国際”映画祭という特徴と、日本のお風呂を“世界”にという思いが重なる点や、ショートフィルムをお風呂(銭湯)で流すことで、日本はもちろん諸外国の方や色々な人にも映画と銭湯の魅力を体験して欲しいという趣旨が先方にも伝わり、『ぜひ、やりましょう!』と、二つ返事で賛同してもらい、11月26日(「いい風呂の日」)の週に照準を合わせて企画をスタートできました」

 

これが誕生のきっかけとなり、そこから、いつどこで何をやるか、実施する銭湯や温泉施設や、ショートフィルムの選定・交渉などを進めていき、「1126THEATER(いい風呂シアター)」の幕が開きました。構想からたったの4ヶ月で実現したHOT JAPAN PROJECTの皆さんと大橋さんのスピード感、本当にすごいです……。

 

“映画館”と“銭湯”は似ている!? 意外な共通点が……

―多くの映画ファンに惜しまれながら2016年に閉館。30年の歴史を持つ渋谷シネマライズ―(引用出典:渋谷シネマライズHP http://www.cinemarise.com/

銭湯の数が年々減少していることは、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」でも度々お伝えしていますが、一方の単館映画館の数も、ミニシアターの聖地・渋谷を含めて、近年閉館が相次ぎ、その数は次第に減少してきているそうです。

 

高橋:
「映画好きとしては、渋谷シネマライズの閉館はとても悲しいニュースでした。思い出がたくさんある映画館です。」

大橋:
「映画館で映画を観る人が減ったのは、個人宅にテレビが普及したことも一つの要因になっていると思います。今ではスマホやタブレットでいつでもどこでも映画を観ることができたり、シネコンのような複合施設も主流になってきています。」

たしかに、家庭に内風呂、アパートやマンションにユニットバスが普及したことや、スーパー銭湯のような新たな複合施設が一般的に広まっていることなど、“映画館”と“銭湯”は共通点がありそうです

 

(引用出典:ガベージニュースhttp://www.garbagenews.net/archives/2034792.html

大橋:
「一方でプラスの共通点としては、お店とお客さんとの心地よい距離感や、施設やサービスなどの体験がどれも個性的であることだと思います。

個人経営の小さな飲食店などにも同じことが言えますが、オーナーや常連客との距離感や会話、自分と趣味趣向が似ているなど、あえてそこへ行くのは体験や空間にホッとする何かがあるから。画一的なサービスでは満足出来ない人たちが集まるコミュニティでもあるからではないでしょうか。」

高橋:
「映画館も銭湯も、個性が感じられるとすごく惹かれますね。上映作品のテーマセレクトが渋くていつもすてきな『目黒シネマ』、コンクリート打ちっぱなしでセレクトも個性的な『渋谷ユーロスペース』

銭湯も個性があって、渋い銭湯もあれば、デザイナーズ銭湯もあれば、温泉銭湯もある。体験、距離感、個性は、大切なキーワードですよね。」

 

「1126THEATER(いい風呂シアター)」をやってみて、ぶっちゃけどうでした!?

今回のイベントで上映したショートフィルムは、日本文化、お風呂やバスタブをテーマにした作品を中心に、“お風呂の中で見たら面白そうな作品”を「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」がセレクトしました。

また、お湯に浸かりながら観てものぼせないように、3~10分程度の映像である点、外国の方でも見られるように英語の字幕が入っている点や、リラックスしながら見られるという点も、選定理由になっているようです。

 

実際に「1126THEATER(いい風呂シアター)」のイベントをやってみて、ぶっちゃけどうだったのかも質問してみました。

 

―今回「1126THEATER(いい風呂シアター)」を実施した銭湯『喜楽湯』の番頭・中橋悠祐さんと看板猫タタミちゃん(写真中央)―

大橋:
「この企画を思いついてから、11月26日(「いい風呂の日」)まで4ヶ月もありませんでしたが、それを逃すと長期戦になりかねないので、なんとか実現させたいという思いがありました。銭湯や温泉地とも繋がりの深いHOT JAPAN PROJECTの皆さんと共に、たくさんの温浴施設に足を運んでご協力をお願いしたり、斬新なキービジュアルを作って頂くなど、皆で力を合わせて取り組みました。企画が進み、イベントの日時が迫ってくると、朝から銭湯の露天風呂にスクリーンを設置したりと奔走しましたが、それも良い経験となりました。」

高橋:
シアターをどうお風呂場に持っていくかが難しかったと聞きましたが、その辺りはどうでしたか? 」

大橋:
今回東京、埼玉、岐阜、佐賀など計8か所で開催しましたが、それぞれの銭湯や温浴施設によってやはり環境が異なります。『喜楽湯』さんは浴室にすでにプロジェクターが設置されている環境でしたが、他の銭湯ではシアター感を出すために、上野の『日の出湯』では露天岩風呂の壁を利用したり、プロジェクターが使えない場合にはロビーや休憩室のテレビを利用したり、と試行錯誤でした。逆に言えば様々なところで上映ができるというメリットでもありますが、まだまだ改善の余地があるので頑張りたいです。」

イベントの実施銭湯でもある『喜楽湯』の番頭・中橋さんには、実際のお客さんの反応を聞いてみました。

 

中橋:
「銭湯で映画をやるなら、子どもを連れて来ようかなというお客さんがいたり、このイベントがあることで来店のきっかけにもなったように思います。テレビ取材も入りました。

銭湯界隈には映画が好きな人が結構いたりします。実は自分達も前々から、銭湯で映画をやれたらいいのにと、『喜楽湯』のスタッフ達と夜な夜な話をしたこともありました。とても好きな映画があって、ニューシネマパラダイスとかやりたいです。」

高橋:
「たしかに『1126THEATER(いい風呂シアター)』で上映する作品を、各施設の番頭さんがセレクトするのも良さそう。それぞれの趣味や個性がでて、お客さんとの会話も盛り上がりそうですね。」

 

「1126THEATER(いい風呂シアター)」の今後の展望

「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」では、街頭や美容室など、様々な場所で映画を上映する体験型の映画イベントを開催されています。最後に、「1126THEATER(いい風呂シアター)」の展望や可能性についてお伺いしました。

 

大橋:
「今回は8か所でしたが、開催場所を増やしていきたいと思っています。内容や時期も例えばですが、ハロウィンならホラー映画を流して、かぼちゃを置いたり、浴槽にはかぼちゃ色の付いた入浴剤を入れたり。いい夫婦の日なら、愛をテーマにした映画を流して、赤やピンク色のお湯にしたりと、テーマを決めて空間全体を体験型にするのも面白いですよね。

また、温泉地や市町村と一緒に開催することで、スタンプラリー、町歩きツアーといった、エリアやフィールドワークも含めた町全体で映画体験ができたらとも考えています。」

 

高橋:
「市町村とのコラボ、面白いですね。企業とのコラボやタイアップも相性が良いのではと思いますが、そのあたりについてはどうですか?」

大橋:
「そうですね、牛乳やお茶などの飲料メーカー、石鹸やシャンプーなどの化粧品メーカー、それこそバスクリンさんのような入浴剤などのメーカーさんとコラボできたら面白いですね。メーカーさんオリジナルのショートフィルムを作って流してみたいです。また電鉄やディベロッパーの方々のご協力が得られれば、町中を巻き込んだイベントができると思います。

それと、注目しているのは、例えばパナソニックさんが出しているプライベート・ビエラのような防水テレビ“お風呂テレビ”ですね。DVD・ブルーレイも見れますし、もしこういうものが使えたら場所を選ばずさらに面白いことができるんじゃないかとワクワクしています。」

 

大橋さんは今後の開催に向けて、コラボや企画など絶賛募集中だそうです。ご興味のある方(うちでもやりたいよ、という銭湯や温浴施設の方も)がいらっしゃいましたら、まずは大橋さんまでご連絡してみてください!

「1126THEATER(いい風呂シアター)」お問い合わせ先
ohashi@shortshorts.org

 

映画と銭湯の共通点から生まれた「1126THEATER(いい風呂シアター)」。

次回の上映も楽しみにしています。
本日はどうもありがとうございました!

AUTHOR

n.yusuke。

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1126THEATERHOT JAPANいい風呂シアターショートショートフィルムフェスティバル & アジア映画館銭湯
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