阿佐ヶ谷の亀の湯は銭湯紹介を始めるにあたって最初に取材させていただいた銭湯です。
2014年の暮れ、寒空の中チャリンコかっ飛ばして亀の湯へ行き、何気なく番台の前の張り紙に目を落とすとそこには廃業の文字が。
これから銭湯紹介を始めようという時にMY銭湯(普段使いの銭湯)が無くなるとは。。。
気づいた時には廃業まで2週間を切っていました。
なんとか写真だけでも取らせてもらえないものかと女将さんにお願いしてみたら、暮れの忙しい時期な上に急なお願いだったにもかかわらず了承してくださいました。
感謝。
そんなこんなで滑り込み取材をさせていただいたのでした。
亀の湯さんにはスタジオ帰りによく行きました。
亀の湯さんの番台には時々それはそれは気品漂う美猫が座布団に鎮座していることがあって、その姿に妙に癒されていました。
銭湯と猫はよく似合うんです。僕はイヌ派やけど銭湯には猫ですな!猫!
浴室、浴槽ともにシンプルで、浴槽は深風呂、座風呂、シルク風呂(細かい泡が出ていて気持ちいい)が仕切りで分けられて並んでいます。
このシンプルさこそが僕が気に入っていた理由でありました。
早い時間帯だと天窓から日差しが差し込んできて黄金色に染まった浴室は本当にきれいで気持ちが良くて時間を忘れてしまいます。
ついつい長風呂してしまいのぼせ気味で脱衣所にでて休憩。。。
亀の湯は新聞や雑誌が充実していたので普段新聞を読まない僕も何故かここに来ると新聞を手に取ってしまいます。
知らない野球選手のよくわからない活躍を眺めているうちに体も冷めてくる。
十分まどろんだところで番台に座る猫の猫背を拝んで帰るのでありました。
亀の湯の大女将
亀の湯さんが廃業されたのは個人的に非常にショックな出来事でしたので最後に取材をさせていただけて嬉しかったです。長い間お疲れ様でした。
銭湯好きのモヒカン男です。
暮らしは立たないが髪の毛は立てる人生。