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東京に銭湯は600軒以上あり、あなたの街にもあります。
知らない銭湯。行ったことがない銭湯。行ってみたい銭湯。
そんな銭湯を、銭湯好きの記者達が実際に取材し紹介していきます。

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東京とは一味違う? 栃木県小山市内に残る唯一の銭湯『幸の湯』【栃木県 / 小山駅】

〒323-0025 栃木県小山市城山町2−5−21

今回の記事では、地元・栃木県の銭湯にお邪魔してきました!

普段、東京都内の銭湯巡りをしている僕は、地元・栃木県にはどんな銭湯があるのかと気になり訪れました。

今回取材した『幸の湯』さんは、栃木県南部にある小山市にあります。

小山駅は東北新幹線・東北本線・両毛線・水戸線などのJRの線路が交差する北関東の玄関口となっています。都市開発が進み、人口増加が見込まれる都市です。東京駅からも1時間30分で行ける立地です。
意外と近いんですよね〜!

 


街角にひっそりと佇む、歴史ある銭湯


小山市は、銭湯が最盛期には6軒あったそうです。

今では『幸の湯』さん1軒のみだけなんです。
小山市の銭湯を守られています。

玄関を入ると、傘立てが中央にあり、下駄箱が両側にあります。
歴史ある銭湯さんはこうした玄関で迎えてくれます。
下駄箱の木札をとって、いよいよお邪魔します。

4代目オーナーの星さんにお話をお伺いしたところ、『幸の湯』さんは、1952(昭和27)年開業で66年の歴史をもつ銭湯です。昭和36年から銭湯を経営されていらっしゃる星さんは、最盛期は1日300人を超えるお客さんがいたとお話しされておりました。

今ではお客さんが減ってしまったけれども、お話しをしたりコミュニケーションの場として機能することを大切にしているとのこと。

僕がお邪魔した時にも、お風呂上がりのお客さんが番台の星さんとお話しをされていて、あたたかく優しい、どこか懐かしい雰囲気のある銭湯さんです。

月5回の薬湯が用意されていて、そのチラシもなんだかほっとします。きっとあの奥さんが書いたんだろうなあ。

小山市の行政も、福祉の視点から銭湯文化を支援してるようで、「小山市ふれ愛入浴サービス事業」を行い、65歳以上の方、身体に障がいのある方とその介助者を対象に、毎月第4金曜日に開催されているようです。
(参考URL: https://www.oyama.city-ikiiki.com/activity/725?category=6

 


東京とは一味違う……?


東京の銭湯巡りをしている僕は、ちょっと違うものを見つけたりすると嬉しかったりします。

東京都浴場組合 入浴料460円
栃木県浴場組合 入浴料420円

全国一律で価格が決まっているものだと思っていたので、初めに知った時は驚きました。都道府県に応じて設定されています。

東京銭湯のサイトを利用する方なら、浴場組合のマスコットキャラは知っていますよね?

そう、「ゆっポくん」です。丸みのある柔らかなフォルムで愛着が湧くキャラクターです。
どこかで見たことはあるのではないでしょうか?
僕は先日LINEスタンプも買ってしまいました!


写真右側がゆっぽくんです。左側は新宿区浴場組合のゆげじい。(公式サイト: http://yuppokun.com/

それでは、問題。

栃木県公衆浴場業生活衛生同業組合のマスコットキャラクターはなんでしょう?

……。
いや、知りませんよね。
僕も知りません。

答えは「せいどうくん」!!!!

 

こちらがせいどうくんです。

……。

目が飛び出している!つるんとした額!シャクレぎみな顎!

……。

見ていると愛着が湧いてくるなぁ。
うぅう気に入ったぞ!僕は好きだ!!!
LINEスタンプはないんか?

……ない

応援したいゆるキャラだ!

 


もう一つの楽しみ。抜けの良い空間と立派なペンキ絵


ペンキ絵大好き人間からすると、暖簾をくぐり浴場の壁を見た時にペンキ絵があると、ぐぐぐーっとテンションが上がるのです。なるべく調べず、情報を見ず、ネットの画像などを見ないようにして、ファーストインプレッションを大切にしたいと常々思っています。
浴場に入ると、男湯には立派な富士山。
待ってました!という声をあげたくなります。

中島盛夫氏の富士山!
東京では見る機会があるけれども、地元の栃木で見るとなんだか感慨深いです。
こうやっていろんな地域まで道具を運び、実際描かれてるんだなぁ〜と、しみじみ。
銭湯ペンキ絵師という職業を尊敬いたします。

さて、女湯は……というと、営業中に取材させてもらったので、男湯から見た「立山連峰」!
この組み合わせはなんだか珍しい感じがします。
全体像は見れませんでしたが、少しだけでも見れて感動しました。

浴場内の間取りは様々で、オールドスタイルでは中央の部分が、鏡もシャワーがなく、蛇口だけで、全体的に鏡や蛇口が比較的低いのが特徴です。

僕はこのタイプの銭湯さんが大好物で、富士山が綺麗に見えて、より空間が解放的になっているような感じがするからです。そしてこの『幸の湯』さんもまたこのスタイルの浴場になっていました。嬉しいなあ。

『幸の湯』さんの特徴である「ラジウム(ラドン)温泉」の湯質は柔らかく、温度は44度くらいで、下町の銭湯巡りをしている僕からすると、ちょうどいい熱さ。
ちょっとぬる湯の薬湯も用意されててあったまってリフレッシュできました。

 


銭湯上がりは……?


ゆっくり浸かって上がると、常連のお客さんと番台の星さんがお話しされていて、とても緩やかな時間が流れていました。
喉が乾いていたので、ド定番の牛乳を頂きました。

ごくごくと飲みながら、改めて脱衣場を眺めていると不思議なものが目に入りました。
なんなんだこれは?

むむむ!

見たことないタイプのサウナ!
(料金を入れてから入るのかな〜?)

 

使ってみようと思ったけれども、もう使えなくなっており、中は物置担っていました。残念。
なんか銭湯の戦ってきた歴史遺産を発見した気分でした!

そして、お風呂から上がった後も、お話しを伺う時間を頂き、快く取材も受けてくださいました。旦那さんに『幸の湯』の歴史をお聞きし、奥様には最近の利用状況をお聞きしたり、東京の銭湯のお話しをお伝えしたりして時間が過ぎました。

「ちっとも儲ける気なんてないけれども、こうやってお話しするの楽しいでしょ?
そのために私は銭湯やってるの!」

とお話しされてた奥さんの言葉を噛み締めて『幸の湯』さんを去りました。
また来よう。またお話ししよう。

銭湯から出ると、夜風も随分とあったかくなってきたことに気づきました。
今度はどこの銭湯にいこっかな〜。

 

AUTHOR

杉本 克哉

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ペンキ絵小山市小山駅幸の湯栃木県
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